別れの朝

wakare.jpg (58951 バイト)

 

この絵に関するコメンツ

この絵は「削除済みトレイ」に放り込んである習作”壁紙に落書きシリーズ”の一つ。それがなぜこの作品だけココに展示してあるのか。

・・・実はこの絵を描き始めた当初、もっと若くてピチピチの女の子を描くつもりだったんです。しかし描き進める毎に何故かどんどん老けていってしまい、「こりゃ失敗作だな」と半ば諦めていたんですよ。
それでも未練がましくグリグリ修正を加えていたら、ほとんど”偶然”の産物なんですが、目がなんか涙目っぽくなり、頬も濡れている感じになりました。途端に、この絵のタイトルが閃光の如く浮かび上がったんですよ。・・・「別れの朝」。
ホテルの窓から射し込む朝日。涙に濡れた目。しかしどこか吹っ切れたような微笑。
絵の中の、一登場人物に過ぎないはずの彼女が、悲しくも美しい物語のヒロインとなる瞬間。急にこの名も無き女性がとても愛しくなり、幸せになって欲しいと強く感じるようにさえなりました。失敗作だと思っていたこの絵がすごく好きになりました。

災い転じて福となった、珍しいパターン。