第二十一章 「正統後継者誕生」
我が家のアパートは、風呂の正面にトイレのドアがある。
トイレのドアの脇にはナナのオムツとかを放り込んだバケツが置いてあり、近くを通るとちょっと臭うことがある。
ある夜――風呂に入れたナナを受け取ってもらうためヨメを呼び、風呂場のドアを開けた瞬間なんともいえない異臭が。
「うわっ!臭っっ!!」
と、思わず声を出すTACに、ナナを抱いたヨメが去り際に一言、「ごめ〜ん☆」
・・・オマエかよっ!!
TACです。
TAC「うひょひょ夫婦の愛を確かめに来ました〜うひょ」
ヨメ「やーよ!ナナ起きちゃうじゃん」
TAC「ナナが久しぶりに早く寝た時くらいい〜じゃんよぅ」
ヨメ「ンもう・・・しょうがないな〜」
TAC「電気つけるよ。小さいやつ」
ヨメ「あ、ダメだ。今ちょうど切れてるんだった・・・寝室の豆球」
TAC「えー。じゃあ全部点けちゃっていい?」
ヨメ「イヤだよ!明るいとこでなんて絶対イヤ」
TAC「でもこう暗くっちゃ何がなんだか・・・」
ヨメ「・・・わかったよ・・・ちょっと待って・・・(ゴソゴソ)・・・あ、あったあった」
TAC「?」
←災害時用ヘッドセットライト
(何かが萎えていくTACさん)
な〜んて紆余曲折もありましたが、なんとか二人目が生まれました〜!!
7月25日(日)
3.428kg
今度はちゃんと男の子です!
それはそれは珠のようなタマがちゃんと付いてます!
・・・・・え?ナナの時と比べるとずいぶん報告がアッサリしてるって?
いやね、今回は立会いできなかったんスよ。
予定日が7月だったのでヨメはナナを連れて6月には北海道に行っちゃいまして、例のごとくボンクラ独身生活をエンジョイしてたんですわ。
で、予定日の10日くらい前に「陣痛キター」と連絡受けて、ちょうど「海の日」で日月と連休だからと北海道に飛んだら、TACが向こうに着くなり陣痛が落ち着いちゃいまして。
結局今回は「不発」ということで帰ったんですわ。
生まれたのその一週間後っすよ。
さすがにもう一回北海道に行く元気はありませんでした。いや、元気はあってもお金が無かったんです。だってこの時期高ェんですって北海道への運賃!片道4万だから往復で8万ですよ。TACの二ヶ月分のお小遣いですよ。
まあそんなわけで会いに行くのはお盆休みということにして、無事生まれたという報告だけを受けました。今回も性別は生まれるまで知りませんでしたから男の子と聞いて大興奮。正統なるTAC家の後継者誕生です。
二回目という油断からか、ヨメは前回の出産時に比べると明らかに健康管理を怠っており、産婆さんに「ナメとんか」と怒られるほど体重増加した状態で臨んだ今回の出産。正直心配だったんですが、母子ともに健康ということでひとまず安心。
で、最初に送ってもらった我が息子の写真がコレ。
人生初の写真がコレかよっ!!
(相変わらずレンズにゴミ混入しまくりのヨメの携帯カメラ)←買い換えろ
あ、名前は武士(たけし)に決まりました。コレも字画は8:3です。HNはタケでよろしう。
将来の日本を背負って立つ立派な大和男児になるべく、武士道精神を叩き込むつもりです。(親父は一番武士道に遠い男)
しかし、まあ・・・ナンですな。
タケが岐阜に来るまで、向こうから度々送られてくるデジカメの写真を見てて思ったんですが。
ウチの息子、なんかちょっとデブぢゃね?
ナナが生まれた頃のヨメは、乳の出があまり良くなかった。
その割に「100%母乳」に拘って粉ミルクなどを与えていなかったせいか、ナナは飢えて標準よりちょっとヤセていた。
それが二人目にして何故だか急にほとばしるよーに乳が出るようになったらしく。
それを文字通り浴びるよーに飲む事が出来たタケは、すくすくというかブクブクと横方向に成長し、
盆休みに北海道へ行ったTACと感動の御対面を果たした時にはそれはもう、どこに出しても恥ずかしくないほどの――
おデブさん。
頬の肉に隠れて正面から耳の存在が確認できません。
――さらに岐阜に帰って来てから2ヶ月ほど経ち、ナナの七五三のついでに一緒に強行したタケのお宮参り&お食い初めの頃には、
さらに一回りほどおデブに。
本来突き出てるはずのアゴが、周りの肉に埋もれて逆に窪んでます。
首が据わった頃に一度座らせてみたら、自重で押し潰されてイメージがなんか鏡餅。
・・・うん、これは間違いなくヨメの血だ。
武士道を叩き込むからには将来剣道か空手でも習わそうと考えてたんですが・・・・・お相撲さんの方がいいかも?
さて、生まれたばかりのタケが可愛いのは当たり前なんですが。
最近特にナナが可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くてしょうがない。
もう親バカでもバカ親でも何でもイイ。子煩悩上等。
北海道に里帰りしてる3ヶ月の間に、ついに「おとうしゃん」という言葉をマスターしたナナ。他の誰でもなく、自分に対して我が子から「おとうしゃん」と呼ばれるこの初めての経験。ダメ、絶対。全てのロックが外れる。なんでも許してしまう。
遅いなりにちょっとづつ言葉を覚えてたどたどしく話すナナは、以前のように全く意志の疎通が図れない異星人ではなく一人の人間として確かに成長している。明確なコミュニケーションが取れるようになって、やっと本当の意味で「娘」になってきた気がする。
24時間ナナと一緒にいるヨメは、タケとの板挟みもあり、そりゃ叱る事も多くなる。
対して、仕事から帰ればデレデレアマアマに全力の愛を注ぐ父親。ナナが完全に「お父ちゃん子」になるのは当然の事だった。
TACが行くトコはどこでもついて行く。たとえそれがトイレであっても。
萌え殺す気かっ!
Sorry, now printing......
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