PM10:30  小樽港フェリー埠頭

 

 

本当はこのままカノジョを岐阜まで連れて帰りたいところだが、今回はとりあえず両親の承諾を得るのが目的なので、ココで一旦お別れである。

―――――全ての準備が整ったらいつでも岐阜へおいで。待ってるぞい。

 


・・・・ホントーに最後の最後までマグナムドライな女であった。

メール送っても返信は3日後だし、
酒癖は大変悪いし、
根性で何でも残さず食うから痩せる気配ないし、
いつも腰や背中を痛めてるおばあちゃん体質だし、
片付けられない症候群だし、
未だに百鬼夜号の助手席に慣れてくれないし、
竹を鉈でブチ割ったような性格だけど。

・・・・何故だろう。この子のことが好きになった。

好きになっちまったモンはしょーがないのだ。

 

 

こうして色々な想いを胸に、百鬼夜号とTACはたった半日しか滞在しなかった北の大地を後にしたのだった。

 

新日本海フェリー「あかしあ」

 

 



9月19日AM4:44  手紙

 

帰りのフェリーは最悪だった。
九州地方に大打撃を与えた後、ようやく日本海に抜けた台風13号。こいつにわざわざ正面から突っ込んでいくコースなのだ。

荒れ狂う波の高さは最大6メートル。上下に激しく揺さぶられながら眠る。寝れるかい。
実は自信があったのだが・・・今回だけはダメだった。ゲロゲロ。

こんな情けない姿を見たらカノジョ、「ホントにコイツについて行って大丈夫かしら」と思うだろうなぁ。

 

・・・大丈夫じゃないけどついて来てください。

 

 

 

 

―――さて、このあとは予定より3時間以上遅れて京都・舞鶴港に着き、そこからは陸路で250kmほど走って岐阜へ帰ることになる。多分、帰宅は明日の朝方だ。
それでこの「ファイナルミッション」は終わり。それと同時に、この6年という永きに渡って続いてきた「妖怪百鬼夜号計画」という物語にもピリオドが打たれるのである。

6年。この間に多くの人と出会い、彼らから多くの幸せを貰った。
そんな彼らに、最後に手紙を書こう。

お世話になった人、その全てに御礼を伝えたいのはやまやまなんだがそれは無理だし、
代表してその中でも特に厳選した3名に、贈りたいと思う。

・・・ゲロまみれの、この手紙を。

 

 

 

 

目玉マスター様

 

あなたと出会えた事は幸運でした。

最初のコンタクトは、「水木ロード物語」の前身、今は懐かしき「水木ロード◎コム」の掲示板でしたね。
完成した百鬼夜号に飾りたいと思い、妖怪神社のステッカー及び御守りを売ってくれないかというお願いのカキコをしたのが全ての始まりでした。あのときはたくさん プレゼントしてくれてありがとうございました。

翌年の3月。水木しげる記念館開館セレモニーに招待されて初めてマスターとお会いしたあの日から、この「妖怪百鬼夜号計画」は一気にその世界を拡げていったのです。
岐阜のしがない鈑金屋のドラ息子が、水木先生や京極先生などの巨匠と会い、あちこちのイベントに呼ばれ、その筋ではちょっとだけ有名になれました。妖怪関連での大きなコネクションを得られました。
全て、マスターとの出会いが無ければありえなかった事です。
全て、マスターのおかげだと思っています。

撮影班としてたくさんの写真を撮ってくれたり、フラッシュなどのHPコンテンツ作成でも多くの力を貸してくれました。それらはこのサイトに更なる集客をもたらしてくれました。
その後幾度となくお世話になることになるブッキィ、かなよさん、Shunさんらと知り合えたのも・・・マスターのおかげです。

 

百鬼夜号は、あなたが育ててくれたも同然です。

 

本当に、本当に本当にありがとうございました。
これからも百鬼夜号共々、どうかよろしくお願いします。

 

フェリー内車両甲板にて発車準備

 

SYO様

 

あなたと出会えた事は幸運でした。

最初のコンタクトは記念館セレモニー翌日の妖怪神社前でしたね。「HPいつも見てます」と声をかけてくれたあなたとの出会いが、その後僕にかけがえのない友人を多く もたらしてくれました。
頼りになる年下DACK2姐さん、いつも元気で楽しいはっちー、硬派なエンターテイナーサルヲっち、心から幸せになって欲しいと思えるmay&ノリマキカップル。
彼らとの楽しい思い出こそが、僕とカノジョの仲を育む大きな要因となった事は確かです。二人にとって、温かく見守ってくれる共通の友人がいたことはどんなに励みとなった事でしょう。

 

僕達二人は、あなたがたが育ててくれたも同然です。

 

本当に、本当に本当にありがとうございました。
これからも夫婦共々、どうかよろしくお願いします。

 

 

舞鶴港深夜0時

 

 

松下幸様

 

君と出会えた事は幸運だった。

最初のコンタクトは君が送ってくれた「感動しました!」メールだったね。
本当に熱い想いが込められたその文から、どれだけ勇気をもらったかわからない。 車のボディに100体の妖怪を描くというバカげたお遊びが、こんなに人の心に感銘を与える事が出来るんだと、驚きと共に大きな自信となったよ。

招待してくれた下呂オフ。参加してくれたUSJオフ。・・・このたった2回しか会ったことがなかった俺を自身の結婚式に招待してくれた時は正直ビックリしたけど、”マブダチ”の一人として 認定してくれた事がとても嬉しかった。
また君らの結婚式への参列は、俺が「友達ってやっぱイイな」とか「結婚て結構イイかも」と意識するきっかけになったんだ。

俺たちの見本になるような、幸せな夫婦になってくれよ。

お互い、愛する妻と愛する車を命かけて守っていこう。
これからも、ずっとずっとヨロシクだ。

 

 

 

 

 

 

そして百鬼夜号よ。
おまえには本当に感謝しているよ。

水木先生に会えた時点で、苦労した分のモトはとれた。
その後もおまえは俺に多くの友人や幸せをくれたけど、

まさか自分の嫁さんまでも連れて来てくれるとは思ってなかったさ。
俺、生まれてきたモトもとれたよ。

 

もうだいぶ古くなってきたし、この先いつまで走ってくれるか正直わからないけど。
これからは助手席に一人増える。だからまだしばらくの間は頼むぜ百鬼夜号!

 

 

 

 

 

 

今日までお付き合いくださった皆さん。
長い間、本当にありがとうございました。

俺、妖怪が大好きだけど。
やっぱり今まで応援してくれた人間の皆さんの方がずっと大好きです!

 

心からありがとう。
これからも百鬼夜号と、二人を見守っていてくださいね。

 

 

 

―――――俺たち、結婚します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2006年11月14日(火)PM19:27脱稿

TAC 

 

 

 

 

 

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