プロローグ
もし・・・
もし「運命の歯車」というものが
本当に存在するとしたら、
今回の奇跡に作用したそれは
その数、実に9輪にも及ぶ。
ある人の言葉を借りれば、
その9輪の「運命の歯車」は
凄まじく高い精度で削り出され
職人の手によって組み上げられた、
まさに芸術的完成品であった。
その働きに僅かの破綻や狂いがあろうはずも無く
あの日、あの瞬間、
あの『忌まわしき結末』に向けて
静かに、しかし正確に
事を推し進めたのである。
2006年 5月3日
鳥取県境港市
ネタの神は、確かに
かの地へと降臨した。
その日は、齢35を過ぎた一人の男が
淡いピンクのメイド服に
そっと・・・袖を通した日。
(画:ブッキィ)
(music
by Sora
Aonami)