まずは下描きから

 

下描きはあくまでガイド的なものだから、最後まで残らないように出来るだけ薄い方がいい
鉛筆でもいいけど、やっぱ漢なら最初から最後までブラシ一本でキメたいよね。その場合は後の作業に影響が少ない水色とか薄茶色などの色で描くとイイよ!

ボディへの下描き転写には次のような方法がある。

1.己の力を信じて直ブラシ。(秀逸なデッサン力が必要)
2.他人の力を頼って脅迫ブラシ。
(秀逸なデッサン力を持つ友人が必要)
3.原画をスキャニングして拡大コピー。
(いろいろと設備が必要)
4.念写。
(ちょっと特殊な能力が必要)

 

ちなみにボクは割と念写をよく使ってた方だけど、この方法は自身のフィルターを通すことにって勝手なアドリブが入り、例えば女の子の絵の場合服を着てなかったりするのでやめたよ。

で、今回はこんな裏技を使ってみた。

 

レイアウトを決める時に使った下絵のマスキングぺーパーを用意し、要所要所にデザインナイフで切れ込みを入れたり、切り抜いたりする。
それをキャンバスに貼り付けて上から軽く茶色でブラッシング。

(←)それがコレ。

 

各パーツの位置を示すマーキングが出来たね!
これをガイドにして、下絵を完成させよう。

 

 

各マーキングを線で繋いで輪郭を形成していく。

ハンドピースを画面に近づけて、塗料の吐出量は絞って。
この「細い線を引く」というのがエアブラシで最も難易度が高く、かつ最も重要なテクなんだ。息を殺し、ニードルの先端にまで神経を通わせるようになるまで練習あるのみ。極めれば米粒に般若心経を書けるようになるよ。ちなみにボクは画用紙いっぱい使っても般若心経なんか書けないけどね!

線は一発でキメようなんて思わないこと。一本目の線が狂ったら、それを基準に二本目で補正をかけるつもりで。
どうせ下描きなんだからと割り切って、失敗を恐れずに勢い良く引こう。髪の毛などを描く時は、慎重にやるよりはテンポ良くスピーディーにハンドピースを走らせた方が上手くいくもんだよ。

 

☆ワンポイント・アド ぶゎイス☆

それでもやっぱり不安定だから手のブレはどうしようもないよね。
下描きの線ならともかく、仕上げの段階で入れるハイライトなんかは
間違っても失敗は許されないから、鋼鉄の無神経を誇るボクでもやっぱ緊張しちゃう。
そんな時に役立つ、ちょっとした裏テクを一つ。

ハンドピースを持つ右手に左手を添え、左手の中指もしくは小指を真っ直ぐ伸ばそう。その指を画面に当てて支えるんだ。強く押し当てるんじゃなくて、軽く指先に感じる程度の方がスムーズに動かせる。
触れるか触れないかくらいの微妙なタッチこそが新しい
快感を引き出すコツだよ。何の話だっけ?

あと、先端のキャップを外してニードルを露出させれば狙いがつけ易くなる。ただし、その状態では非常に危険だから取り扱いに気をつけて!
刺さると痛いよ!うっかりどこかにブツけてニードル曲げちゃったら最後、新品交換だよ!一本500円はするよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・まあ、そんなこんなで下描きが完成☆

 

 


次は下塗りだっ

 

絵を描く時は、まず大雑把なアタリをつけてから細かい部分の描き込みへ。
そして色を塗る時は薄い色から徐々に濃い色へ・・・と、守られるべき順序というものがあるよね。
可愛い子に会ったらすぐ押し倒して、なんて警察に捕まっちゃうもんね。ちゃんと服を脱がしてからでないと。

下塗りは、後に続く塗装行程の効率化を図る上でも発色を良くする上でも大切な作業。
(←)原画をよく見て、エリア毎にベースとなる色を薄く大雑把に塗ればいいよ。

どれくらい大雑把かというと、これくらい(↓)の認識でイイ。

 

位置がつかめたら、とりあえず下描きの茶色がまだタンクの中に残ってるんで、赤の部分から塗っていこうか!

 

☆ワンポイント・アド ぶゎイス☆

エッチなビデオとか観る時、モザイクの部分を出来るだけ違和感なく観る為に目を細めたりした事ないかな?
わざと焦点をズラして画像をボカすんだ。

その要領で原画をもう一度見てみよう。

細かい部分が完全に殺され、なんとなく色の配置だけが判る状態になるよね?
この映像こそが下塗りの理想的なカタチだよ。
こんな感じになるように色をのせていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左上の「火の国」の部分から。

下塗りはテキトーでいいんだけど、出来るならこの段階でハイライトの部分は下地の白をあえて残したり、影で黒くなってる部分には濃い目に塗っておいたりして、大体の明暗をハッキリさせておくとより素敵だ。
原画をよく見て。このへんはセンスが問われるよ。

あと、他の部分もよく見て・・・中央の少女のヘルメット・篭手・ブーツ・持っている本、右の赤い月など「赤系の色が使われている部分」にも、色を入れておこう。
少しでも塗料を無駄にしないように、使えるトコには使っとけってやつだね。

 

赤の部分が終わったら、色を替えて別の部分に移ろう。
ハンドピースはあくまで筆の一本だから、色を替えるときは当然洗浄する必要がある。この時に覚えておきたい方法が「うがい」だ。

ハンドピースの「うがい」は簡単だよ。
まずタンク内の塗料を完全に使い切るか捨てて、空にしよう。そこにシンナーを入れる。
先端のノズルを指で塞いでトリガーを引こう。
エアーがタンク内に逆流してブクブクと泡を出すはずだ。これを数回繰り返して、最後にタンク内壁をウェスで軽く拭えばOK。

緑の「鏡の国」の部分。
でもアレ?上の青を塗る予定のエリアにも緑をかけちゃってるけど大丈夫?

よくぞ聞いてくれました!(誰も聞いてない)
緑と青はとても相性がいいんだ。だからこの2色が混ざると深みが出るんだよ。
青の部分を塗る前に緑を下塗りしてるわけだね。

決して緑が余ったから塗っ

 

 

赤の上に黄色を乗せたりしても、効果的だ。
このように色同士の相性や、影響を与え合ったり殺しあったりする相互関係などをよく考えて塗る順番を決めると無駄が省けるよ。
給食で、うっかりミカンを食った後に牛乳飲んじゃったりすると死ぬほど不味いでしょ?順序ってやっぱり大切なんだ。

 

 

 

☆ワンポイント・アド ぶゎイス☆

上で言った「順序」に関係する話なんだけど。
簡単とはいえ、色を替えるたびにハンドピースを「うがい」するってのもやっぱりメンドくさいよね。出来るなら最小限の回数で済ませたいもの。
これも使う色の順序を工夫すれば大幅に減らせるよ!

まず当然のパターンとして、
とても薄い赤ちょっと薄い赤普通の赤濃い赤ドス黒い赤
のように、同色系をどんどん濃くしていく場合はもはや
洗浄の必要はない。同じように、
黄緑青緑
こげ茶
のような順番でも殆ど影響はない。軽く一回のうがいで十分だよ。

ただ最後の締めに使うハイライトの白や、漆黒の影を描く時のは、わずかに別の色が混じっていただけでもよく判るほど影響が出る。
しっかり気合入れて洗ってから使おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下塗りが一段落したところ(↓)

大体の雰囲気はつかめてきたかな?
そろそろ色を濃くして細かい部分への描き込みをしていこう。

 

 

え?忘れ物?早く戻ってきてよ。

まだ続くのかよ。