第十六章 「ナナ、大地に立つ!」

 

 

ナナが活発に動き回るようになりました。
つまり我が家の局地殲滅兵器は今やリッパな広域焦土化兵器へと進化を遂げました。

 

 

見るも無残に蹂躙されゆく部屋を、本来後片付けに奔走すべきは母親であるはずなのだが。

我が家のヨメにそれを期待するのはそもそも御存知の通りなワケで。

 

 

 

・・・つまり何が言いたいのかというとアレだ、誰か助けれ。
TACです。

 


ナナが自力で立ったのは10ヶ月目くらい。

会心の「侠立ち(おとこだち)←女ですけど

 

そして記念すべき一歳の誕生日である2月11日、お祝いの席でいつの間にか本格的に歩いているのを確認した。

あっという間の一年だった。
一年前のあの日――TACの目の前でヨメの股間からズルリと排出された血肉の塊だったアレが、もうこんなにメンコイ娘に成長しているのである。感無量である。

生まれた時はちょっと痩せていたので心配した時もあったが、今は「コイツ、食い過ぎじゃね?」と逆に心配しているほど。
ホントによく食う。小食な大人の女性くらいの分量は軽く食う。
大人の体重に換算したら、ざっとタライで飯食ってるようなものだ。うん、ヨメの血だ。

飲みっぷりもいい(可愛げは無い)

目の前のメシが無くなると不安になって泣く。
足りないのかと思ってバナナやイモなどを与えてみると、たとえ満腹でも根性で食う。(あとで吐く)

腹が減ってるから食うというよりはむしろ、そこにメシがあるから食う。
本能ではなく、反射で食う。

 

 

 

 

 

・・・ちょっとアタマ悪いガキなのかもしれん。

 


【クライマークライマー】

 

ナナが動き回るようになって何が一番危険って、目を離した隙にどこにでもよじ登るようになった事。
ウチはテーブルもパソコンラックも背が低いので、今のナナなら容易によじ登る事が出来る。登ったはいいが自力では降りられないので落下の危険もある。つか、既に何度か落ちた。

 

今日もテーブルに登ろうとしていたので、とりあえず叱る。

そして最初に戻る(以下エンドレス)

 

学習能力ナシ。

・・・うん、やっぱアタマ悪いわこのガキ。

 


ウチのヨメは、一応美人である。少なくとも顔はTAC好みな日本的美人だと思っている。

しかし首から下はこう、何つーか・・・肉感的と呼ぶには少しばかり肉々しさに過ぎるというか腰のクビレに欠けるというか本人曰く骨太だから仕方ないの」って腹周りに骨はカンケーねぇだろがどの面下げてほざきやがるかよーするにぽっちゃり型である。

 

先日、アロハを着て立っていたヨメの姿が――

 

 

 

 

TACの脳内でオリバと重なった。

ビスケット・オリバ氏

 

 

 

・・・・・・・どげんかせんといけん。(TACのセンスもヨメのダイエットも)

一方、今日もどこかで行き倒れているナナ→



先日ですね、ラジオでユーミンの「シンデレラエクスプレス」が流れてたんですよ。

そーいえば季節は。出会いの季節であると同時に別れの季節でもあります。
進学・就職・転勤などによって、この春に別れ別れになる恋人たちもたくさんいるでしょう。遠距離恋愛ってやつです。
そう――かつてのTACとヨメのように。

 

月に一度あるか無いかの逢瀬。
久しぶりに会えても、一緒にいられる時間は僅か・・・あっという間に別れの時間がやってきます。

駅で、空港で、バス停で――
目に涙を浮かべた恋人たちは、未練タラタラに別れを惜しむのです。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・え?ボクたちですか?

 

TACが北海道から帰る時は空港行きの高速バスに乗るので、主にバスの停留場がお別れの場所でしたが、

 

 

 

 

TACがバスに乗るなりカノジョは振り向きもせずにスタコラと去っていくし、

 

 

 

 

逆に岐阜へ来たカノジョを空港に送る際は、

いつも全力疾走。

時間にルーズなカノジョは搭乗時間のチェックが甘く、いっっっつも時間ギリギリ。

 

ええ、別れを惜しむヒマなんぞコレっぽっちもありませんでした。

 

 

 

 

・・・・・なんでケッコン出来たンだろう俺たち・・・?


【オマセなマユちゃん】

 

TACの姪といえば過去に何度か登場しているミキを皆さん御存知だと思うが・・・
他にもTACの末の妹の娘でマユというのがいる。ナナの従姉妹にあたる。

現在5歳

コイツがなかなかのオマセさんで、言動がいちいち芝居がかってるというか大人びてるというか、とにかく小生意気なガキなのである。

 

先日――そのマユが風邪で熱を出し、床に伏せていたときの話。

看病をするTAC妹に対し、マユが息も絶え絶えに言うのである。

 

 

 

なんか違うぞ。

それにしても一体どこで覚えてくんだこーゆーセリフ・・・

 

 

ココ最近で一番ウケた話。


【一人で飲めるもん】

 

ナナは、お茶などを飲む時はまだ哺乳瓶を使っている。
吸う力は十分あるので、最近では専らストロー付きのやつを使っている。

もう食事中にも自分のタイミングで手に取り飲んでくれるので親としてはラクになったが、飲んだ後そこらにポイ捨てするのはカンベンして欲しい。

 

そんな愛用の哺乳瓶の中に、一つだけ瓶の両側にグリップが付いているタイプのがある。

 ←こんなやつ

 

ナナがこれを使って飲む時、しばしば変な持ち方をしている時がある。

 ←こんなん

 

 

 

 

おまいは酔拳のオヤジか。

酔拳のオヤジ→


【至福の時・・・?】

 

結婚してから何が良かったってそりゃもう、男としてはコレですよコレ。

膝枕で耳掻き☆

 

元々耳掻きしてもらうの大好きな上に、愛する妻の膝枕ですよ!
コレこそ男の浪漫。コレのために結婚したといってもいい!(えぇえぇ

 

うちのヨメも、頼むとやってくれますよ。

まあ彼女にとっては「収穫祭」のついでなんですが。
やってもらってる最中にヨケーなちょっかい入れると「脳味噌エグるよ☆」とステキな笑顔で全然ジョークに聞こえない恐ろしいこと言ってくれますが。
最近では近くに小さな破壊神がウロチョロしてて耳掻き中でも情け容赦の無いタックルかましてくるので鼓膜貫通の危険と隣り合わせですが。

それでもまあ一応、至福の時っちゅーやつですわ。

 

 

 

 

 

でもね、以前からな〜〜んか違和感があったんですよ、ヨメの膝枕。

いやちゃんと気持ちいいし、寝心地は文句無いんですが・・・何か普通の膝枕とはどこか違うよーな。

 

 

 

 

先日、その理由が判明しました。

 

ヨメの膝枕、めっちゃアグラ

 

 

 

 

・・・いや別に正座しろとか文句言う気はありませんけどね脳味噌エグられそーだし。

 


【妖怪リモコン隠し】

 

まあ、これは他所でもよく聞く話ですが。

乳児の「一番やってほしくないことをピンポイントで、しかもかなりのハイレベルでやってくれる才能」は異常である。

ホントこいつ知っててワザとやってねーかとか思う。

 

更新作業中に寄ってきたナナがキーボードをほんのチョチョイと触っただけで、ローマ字入力モードが見たこともない未知のモードに変換。
元に戻そーにも、一体ヤツが何をどーやったのか全く不明なので(未知のショートカットキーを使用した模様)TACの技量では無理。その先何も出来なくなる。
何度、泣く泣く再起動されられたことか。

携帯に関しても。
TACが知らない間に弄り倒してリダイヤルでいろんな人にかけまくるのはもはや恒例で。
それどころかまたも変なキーを押してワケわからん画面を出してくれてたりする。

元来誤操作防止のためにあるはずの「特定キー長押しによるモード変換機能」も、一つのボタンを長押しするのが得意なナナの前では無意味。
結局、泣く泣く説明書引っ張り出して元に戻す方法を探すのである。誤操作防止になってねえ。

 

 

そしてヤツの最も得意とするのが・・・携帯やテレビなどのリモコンをどこかに隠すことである。

 

ナナがほんの10秒くらいの間にチョチョイとどっかに持って行ったモノは、大の大人が二人がかりで2時間くらい血眼になって探しても見つからない。もはやコレはプロの業としか思えん。
一刻も早く出掛けたい時や一秒でも早く寝たい時に限って、作動中のエアコンのリモコンが見つからずパニックになることもしばしば。カンベンしてくれホントに。

 

 

 

 

ナナのこの「隠す」才能と、ヨメの「部屋をとっ散らかす」才能が合わせ技として完成を見た時――、

我が家はあらゆるものを時空の深淵へと飲み込む異空間と化す。(本気で言ってます)

 

 

 

 

 

 

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