第十八章 「ナナの成長通信簿」

 

 

最近TACがコタツに座ってるとナナが前に割り込んできて、当然のように膝上に座ってきます。
やがてウトウトし始め、そのままズリズリとずり下がっていってTACの股間あたりを枕にして寝てしまいます。アタマの納まりがイイので、なかなか寝心地良さそう。

これはアレだ、「ドラゴンボール」で幼き日の悟空がじーちゃん相手にやってたお気に入りのフカフカキンタマクラ
時々ナナが寝返りなんかするとあああそんな所に深々と顔埋めちゃっておとーちゃんまいっちんぐ。

 

 

 

 

 

十数年後の彼女にとって耐え難い黒歴史となるであろうこの寝姿を、今の内にたくさん写真撮っておこうと思います。

TACです。


 

さて、あけましておめでとーございます。2010年です。
昨年の後半は公私共にアホのよーな超多忙の毎日でしてロクに更新できなかったワケですが、ちゃんと家族共々生きております。

よく食うおかげか、ナナも健康そのもの。
二回目の誕生日を間近に控えたこの最近に、生まれて初めてマトモな風邪をひいたようで熱出しました。それまではほぼ通院歴ゼロ。
毎月のように熱を出しては深夜病院に駆け込む事が多かった姪たちを今まで見てきただけにTACもそれなりの覚悟をしてたのですが、寝相の悪さから真冬でも布団ハネのけてグースカ寝ているナナが、どーして今まで風邪ひかずにいられたのかむしろ気味が悪かったです。

 

まあ、そんなわけでナナももうすぐ2歳。
あまり他の子と比べる機会も無いのでよくわからんのですが、実際どーなんでしょう。アタマは悪そーですがそれなりに育っております。

 

そこで――ナナの成長具合を親の目から見た中間報告書として、各項目別に通信簿にまとめてみました。

 

国語  ★★☆☆☆

 そろそろ本気出して「おとーさん・おかーさん」くらいは言えるようになりましょう

言語能力は一般的にみて遅いような気がする。
未だカタコトでも意味を成した文をしゃべれません。

最初に発した単語は返事の際の「はい」だが、次に覚えたのは想像どーりと言うか何と言うか「おいちい」。(食い意地張ってるからね)
最初はただ「食べ物」と関連付けされた連想記憶だったらしく、食いモン見れば食う前から「おいちい」を連呼していたが、最近ではちゃんと「食った後の感想」として使っている。人が食ってるのを見て「おいちい?」と聞いてくることも。
食ったものが大変気に入った時に「うまっっ!!」と感嘆の声を上げ、夫婦共々つんのめった事がある。それは教えた記憶無いぞ、どこで覚えた。

ちなみに現時点のナナにとって「わんわん」は犬の事ではなく、人間以外の動物の総称である。

 

大人の殆どを一纏めに「ジッちゃ」と呼んでたりするが、父であるTACにそれはヤメろ。結構ヘコむ。

・・・・・そもそもコイツ、「ナナ」が自分の名前だと認識しているかどうかもアヤシイ。

←フェイント

 誰でもいいらしい

 

 

TACが帰宅すると、ヨメと共に元気よく
「かえり〜〜〜〜」

・・・・・「お」を付けなさい。

自分が自宅に帰ってきた時も
「かえり〜〜〜〜〜」

・・・・・その場合は「ただいま」だボケ。

 

 

・・・「バナナ」を何度教えても「ナナナ」と言うしな。

まあ焦って叩き込むつもりは最初から無いが、そろそろ絵本とか使いながら一つ一つコトバ教えていかなきゃいかんかもしれンな。
ほれ、ナナ。この絵本見てみ。

「ナンダこわ!コレなんだこれ?」

・・・・・「これなぁに?」と聞きなさい。

 

 

 

惜しい。

 

 

算数  ★★★☆☆

 先にカウントダウンの方を覚えるのはどーかと思います

 

 

TACがこんな人間絶叫マシンみたいな遊びばかりやってあげるせいか、すっかりカウントダウンの方を先に覚えてしまったナナ。
秒読みの時に、一緒にソレっぽいのを口ずさむようになった。はい、覚える順序が文字通り激しく逆です。ボクのせいです。

妹曰く、
「子供には数を数えることを早めに教えた方がいいよ。こっちが忙しいのにまとわりついてきた時なんかに、何か数えさせとけばしばらくそれに没頭してくれるから。畳の目とかね」

なるほどな・・・って何だタタミの目て。

 

 

少なくとも現時点においてハッキリと元気よく言える数字は「7」だけである。
ちゃんとそれが自分の名前ではなく数字の方だと認識してるかどうかは激しく疑問だが。

 

 

理科  ★★★☆☆

 好奇心だけは異常なまでに旺盛です

 

なんつーか、地球に重力が存在する事を二年目にしてようやく理解できた模様。
つい最近まで、自分でよじ登った机の上から平気で宙に足を踏み出し、フリーフォールを楽しんでいた。ハムスターかお前は。

ナナの魔手からパソコンを守るため、普段は居間のパソコンラック周辺をベビーサークルの隔壁で封鎖している。
TACがネットしてる時、遊んで欲しくてそこから身を乗り出すようにしてアピールするため度々顔面から落ちる。基本的に学習能力皆無なので漢らしく何度でも落ちる。(女です)
ようやく、最近になってそれも減ってきた。

 

あと、これを理科と分類していいのかよく判らんが・・・機械の類に興味津々である。
ぬいぐるみよりも携帯電話。玩具のキッチン用具より車輪の付いた乗り物系。リモコンなどは大好物でよく食べる。食うな。

 

 

ある日、家電量販店の陳列棚で見つけた空気清浄器が妙にハマったらしく、上部の蓋を楽しそうに何度も開閉して遊び始めた。

・・・何が楽しいのかサッパリわからん

子供が一度こーゆーモードに入ると、一種のトランス状態なのか何なのか本っっ当にしつこい
永遠にパクパクやっててキリがない。

ちょっと邪魔したくなって、おもむろに脇から指を挟んでやる。

 いつものオーバーリアクション

 なぜか自分でわざと指を挟むナナ

それはそーゆー使い方をする機械ぢゃない。

 

 


【番組の途中ですが、速報です】

 

つーても発覚は昨年の、年の瀬も押し迫った師走のある夜の事だったんですが。

 

ここんとこ食欲ねーしなんかダルいわーとのたまっていたヨメ。
例のごとく「風邪じゃね?」「そーだね風邪だね」とスルーしまくってたのだが(またかよ)、念のため〜と調べてみたところ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――・・・・・え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・二人目・・・・?

 

 

 

 

 


社会  ★★★★☆

それは適応力なのか、ただの無神経か

 

社交性というか社会適応力というか、愛想は無駄にイイ。
見知らぬ人にも抜群の笑顔を見せるので、大抵その場の人気を独占する。おかげでおとーちゃんも鼻が高い。

ただ、見知らぬ人に平気でついて行くガードのユルさも無駄に定評がある。 おかげでおとーちゃんの心配も尽きぬ。

 

ナナは基本起きている間は大抵食ってるか笑ってるか泣いている。ニュートラルの状態が無いんかいオマエは。
母親に叱られて大泣きしても、その数秒後にはTACの腕の中で嬌声あげてたりしてその切り替わりの早さはめまぐるしいものがある。一度泣き出したら最低一時間はシツコかった姪らとは全然違い、その点は親としても大変ありがたいと思うが・・・すぐ泣いたり笑ったりするのは単純に記憶力が無いだけなのかもしれないと最近思い始めた。
すぐ忘れるから何度も同じイタズラをして何度も叱られ何度も泣き何度も回復して――を繰り返す。 (大体ヤツが親の見てないところで静かにしている時は概ね何か悪いコトやってる時だ)
まだ親の言いつけを根幹の部分で理解出来てないようだ。

 

なんで「片付けろ」と言われたのかが全然解かってない(泣)。

 

 

 

 

 

基本マイペース

 

音楽  ★★★★☆

 天性のリズム感と前衛的な作曲のセンス

 

基本的に一日中家にいるテレビっ子なので、子供番組やCMで流れる曲をほとんど覚えているようだ。
お気に入りが流れると一緒に口ずさんでいる。歌詞はもちろんナナ語に変換されてるのでデタラメだが、傍で聴く限りリズムも音程も合っている。Wiiのソフト「テレしばい」に同梱されていたマイクを手に持って歌う事も覚えた。
絶対音感は意外にあるのかもしれない。

 

機嫌が良い時は常に一人で歌っている。つか、踊っている。
その振り付けはパプアニューギニアのナントカ族の「戦いの踊り」っぽいが、意味不明なナナ語で綴られるその歌は完全オリジナル曲である。
作曲の才能もあるかもしれない。

←今年40歳

ただ、その創作ダンスにいつも誰かを付き合せるのはやめてほしい。

 

 

声はデカい。
カラオケでは主に低音のパワーボーカルが冴えるヨメに似たのか、なかなか声量もあるようだ。
ただ耳元でマックスボリュームの奇声を発せられると、それはTACの精神を引き裂くリッパな音波兵器なのでカンベンしてもらいたいな。

 

 

 

 

 

とにかくコトバを教える意味も込めて、時々TACも一緒に声を出して歌ってみたりしている。

 

 「さんぽ」(となりのトトロ)

ナナにウケるのをいいことに、TACがいつもこーゆー一人ボケ一人ツッコミ的な替え歌ばかりを歌ってあげるせいか、すっかりそっちの方を覚えてしまったナナ。はい、ボクのせいです。

 

 

・・・センスはあっても先生に恵まれてない環境。

 

 

美術 ★★★☆☆

 ・・・父の遺伝か?(良くない方の意味で)

 

美術っつーても、まだ2歳のガキですから。
まだまだマトモな絵なぞ描けません。

一応、水のペンで描ける落書きシートや風呂で使える石鹸クレヨンなど与えると喜んで何か描き始めますが・・・大抵グチャグチャと描き殴ってすぐ飽きます。
その筆致に、ひょっとしたら未来の日本を代表する芸術家としての天賦の才能を感じられるのではと期待してみたりするのですが、清々しいほどにカケラもセンスありません。

だからここでは主に彼女独特の「ファッションセンス」について。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずナナは、どーゆーワケか・・・

体に色々巻きつけるのが好きっぽい。

 

 

 

 

その多くはバスタオルとか毛布なのだが、ふと気付くとジプシーみたいな姿で一人部屋をさすらってたりする。
妙に静かにしてるなと思って探してみると、カーテンにグルグル巻きつかれて一人窓際に佇んでいたりする。

 

母親のマネをして猪木のよーな首タオルはもはや標準装備で、

 

 

 

 

 

 

かと思えば、いつの間にか母親のブラを装着してゴキゲンだったり。

 

しかもその着け方が見事な「AYA STYLE」でしっかり時代を先取りしてたり。


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「AYA STYLE」とは何ぞや?という人はググれ
 

 

 

 

 

被り物も好きです。

←お気に入りのチャイナ帽

 

 

 

ただ、時々ナニを勘違いしたのかパジャマのパンツ被ってたりしてそれはまあ可愛いっちゃ可愛いんですが、

 

 

 

 

 

 

 

 

シャツを下に履いてた時にはさすがにチョット物悲しくなりました。

 

 

体育  ★★★★☆

野に放たれば獣のごとく

 

我が家は狭いので、たまにデパートなどの広いスペースに放流されるとそれはもう明らかにブレーキが壊れた暴走特急と化す。
何処へでも走っていくし誰にでもついて行く。遠くからでもすぐヤツだと判る「おひょひょひょひょ」が聞こえるので今のところ迷子にこそなってはいないが、全くと言っていいほど前も足元も見ていないので危険極まりない。ドミノ会場に乱入した野良猫を見守る気分だ。

でも見る限り足は速いような気がする。

 

実際、運動神経は悪くないようだ。

我が家には友人家族から貰い受けたミニジャングルジム(3歳児以上推奨)が設置してあるが、一歳の結構早い段階から器用に手足を使ってよじ登っていた。
階段も大好きでほっとくと一人で永遠に昇り降りを繰り返している。せっかく遊園地に連れて来ても、他の遊具そっちのけで階段で遊んでたりする。
TACと向かい合って互いの両手を繋ぎながら、腕を突っ張らせてTACの体をよじ登る「パパマウンテン」もよく登頂するし、そのまま後方へ転回する「サマーソルト着地」も1歳の段階でマスター済み。

 

球技系はほぼ全滅だがもともと身軽なTACと、どっちかってーとドン臭い代わりに腕力は自慢のヨメ。
こと体育に限っては、両親の数少ない長所だけを受け継いでくれたのかもしれない。

 

 

←バランスボール

 

でもやっぱり基本はおっちょこちょいだ。

 

 

 

給食  ★★★★☆

 とにかくメッタ喰い(ただし好きなものだけ)

 

すでに何度も言っているコトだが、ナナはよく食う。
「食いしん坊」を通り越して「いやしい」レベル。たまにレストランなどで外食していると、一口喰らう毎に「んまっ!うまっっ!!」と叫び続けるので恥ずかしいったらない。
普段ロクなモン食わしてないみたいじゃないか。

 

 

 

一度「食べ物」をロックオンすると、それが己の口に入るその瞬間まで大騒ぎ。

それが与えられない事を病的に恐れるあまり、別にやらんとはヒトコトも言ってないのに勝手に先走って泣く始末。
待てコラ落ち着けどこまでイヤシいんだよお前は。

 

 

でもまぁ・・・、

そのあと無事貰えたナナが、口いっぱいに頬張りながら涙いっぱい溜った目でニコ〜〜〜ッと満足そうに笑うその顔も可愛くってしょうがないんだけどネ。

 

 

 

 

というわけで食欲には定評があるナナだが、満点の★5つをあげられなかった理由はそろそろ好き嫌いが出てきたからである。

とにかく野菜がキライ。もうパッと見でそれと判断されたものには一切手をつけない。
ヨメの工夫によりナナ好みの味付けになっていても最初の一口をまず食べようとしないし、他の食材に混ざっていても慎重に選り分けて残す。
オカズの肉だけ先に全部たいらげてしまい、その後ひたすらゴハンだけ食うというパターンもしばしばあるが、野菜だけはダメ。納豆とかは大好きなのになぁ。

 

しょうがないので現在は、豆乳と野菜ジュースのミックスや果物を与えてビタミンを補うようにしている。

 

 

それにしても・・・噛み切れないからといって散々口の中で咀嚼されてデロデロになった肉片を、とーちゃんの口に押し込むのはやめれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――以上、簡単に振り返ってみたが。
総合的に見て元気に育ってくれてるようで本当にありがたい限りである。

もうすぐお前もお姉ちゃんになる。

これからも健やかに、そしていつまでもその輝く笑顔を見せておくれ。

 

たとえどんなにアタマ悪かろーが、世にも稀なブサイクだろーが、
ナナは俺達の最高の宝物なんだから。

 

 

 

 


【惨劇”四”・・・9年目のマサカ】

 

最近になって、ようやく自分ちの車が他所のとドコか違う事に気付き始めたナナ。

さて、そんな百鬼夜号ですが。
完成して車検所得したのが2002年の1月だったので、現在なんと9年目に突入しています。うわぁ。
9年前の段階で既に「廃車予定」だった車ですから軽としてはとんでもなく異例の延命ですよ。今も通勤車として現役バリバリですし我ながら酷使っぷりがハンパないです。

 

それまでの間に、サイドブレーキかけ忘れによる無人自走→コンクリ壁クラッシュが一回、10円パンチが一回、電動ドリルによる天井ブチ抜きが一回・・・と、チョットしたトラブルには事欠かなかったワケですが・・・・・・(←十分すぎる惨劇だっつの)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のコレはさすがに凹みました。(車も心も)

ザックリ

 

しかも犯人は親父。

 

 

写真じゃ解りにくいかもしれませんが、保険屋のド素人アジャスターに見せても十分ナットクの「カモン新品交換」レベルです。
鉄板まで達するほどに深々と刻まれたケガキ溝が、左ドアのミラー下からドアノブまで一直線に伸びています。溝の周囲は大きく歪んでいます。

オヤジ曰く、社用トラックを急いでバックさせようとして斜め後方に駐車していた百鬼夜号に気付かず、荷台の角で抉ってしまったとのこと。

 

 

もうね、怒りを通り越して溜息しか出ませんでしたよ。
9年も乗ってて最初にブツけられた相手がまさか身内とは思わなかった。

 

で、このショックを愚痴ついでにmixi日記でボヤいたところ、ちったぁ同情やお見舞いの言葉をかけてもらえるかと思いきや、

妖怪百鬼夜号修理計画が読めるな( ̄ー ̄)」

「ちょちょいのちょいで直るんでしょ」

「オイシいネタが出来て羨ましいです」

「良かったね。ネタが増えて( ̄ー ̄)」

 

 

どいつもこいつもネタとして楽しんでやがる始末。

 

 

 

 

 

あー、そうかよ。わかったよコンチクショウめ。

そこまで言うなら、本当にやっちゃるわい。

 

 

 

 

 

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