第十四章 「グラップラー・ナナ」

 

 

♪ポ〜ニョ ポ〜ニョポニョ

    ウルトラソォーーーール!!

 

 

すんません、ネタが無いときはこんなモンです。
TACです。


【ナナバウワー】

よその子はどーか知らんが、ナナはよく体を反らす。
乳を飲んでる時とか特に、「人体の構造としてそれはアリなのか」と心配になるほどフレキシブルにエビ反る。

思わず洗濯モン干したくなるよーな姿だ。

ほとんど直角

 

首も据わり、そろそろ寝返りを覚え始めたナナ。しかしまだ下になった方の腕を上手く抜く事が出来ず四苦八苦していることもしばしば。
そのうえ寝返ろうとする方向に体を思いっきり反らしてるもんだから自身のアタマが引っ掛かって余計に出来ない。

気が付いたらシャチホコみたいに逆立ちしていてビックリしたこともある。

江頭!?

 

TACは「ナナバウワー」と呼んでいるが、赤ちゃんってホントに体柔らかいのな。

 

 

・・・ちなみに。

対して母親であるヨメはメチャクチャ体が固い。

 


【グラップラー・ナナ】

お宮参りお食い初めも無事に終わり、ナナは顔つきもなんだか”赤ちゃんの顔”から”子供の顔”に変わってきたような気がする。
抱いてる時や「高い高い」をしてる時に胸元を蹴り返してくる足の力にも、少しづつ力強さを感じるようになってきた。「こりゃ這うどころか立って歩き出すのも時間の問題だな」と思っていた。
力があるという点は間違いなくヨメの血だ。

 

 

 

――しかし。

ナナのこの”力”は歩くという基本動作よりも先に、ある別の資質へとそのベクトルを向けていった。

 

烈海王ばりの足拳。

 

花山薫ばりの握撃。

 

範馬勇次郎ばりの踵落とし。

 

 

 

 

軟弱なお父しゃんは、まだ年端もいかない我が娘の手によって近い将来屠られてしまうかもしれません。

 


【抱き癖?】

「抱き癖」という言葉がある。
赤ちゃんが泣くたびに抱いてあやしてばかりいると、それが習慣になってしまいいつも抱いていないと泣き止まない子に育ってしまうというものだ。
特に両親や祖父母の世代からよく言われる気がする。曰く、「抱き癖が付いてしまうから、泣いてもすぐに抱くな」と。

しかし最近の育児書などを読んでみると、これにはむしろ否定的な意見が多い。
「赤ちゃんが泣くのは空腹やオシメの他に不安や寂しい時。そんな時に親に抱かれることで、赤ちゃんは大きな安心と幸せを得ることが出来る」
大切なスキンシップ、抱き癖など気にせずにいっぱい抱いてあげて、というわけだ。

 

まあ言われるまでもなく、TACとヨメもナナが泣けば矢のよーに飛んで行き、嬉々として抱き上げてしまうわけだが。

 

――そんなワケで・・・すっかり抱き癖がついてしまった。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ナナではなく、親の方に。

 

 


【チチ(父)だってチチ(乳)が好き】

 

生後6ヶ月目に入り、少しづつ離乳食にもチャレンジし始めてきたとはいえ、まだまだナナの主食はオッパイである。
ハイハイという機動力も得て消費カロリーも増えたか、なかなかに飲みっぷりも良い。

ヨメは前述したように元々あまり女らしい性格ではないため、母親としての資質に正直期待はしていなかったのだが――意外にもちゃんとハハオヤしている。ナナは夜中に数回、お腹を空かせて微かに泣き声をあげるが、すぐに飛び起きて文句一つ漏らさず授乳している。
ナナも今のところ夜泣きが酷い方ではないようだが、それにしても母は偉大である。心から尊敬する。

 

しかし・・・まぁ、ナンだ。

 

 

 

 

御存知の通り、TACとヨメはかつて遠距離恋愛であった。
しかも岐阜と北海道という、一体誰が得すんだ的見事な離れっぷりだった。

デートはせいぜい3ヶ月に2回位のペース。
その数少ないデートにしたって、ヨメは決してベタベタしてくるよーなタイプとは程遠いお淡白さんなので、お預け喰らいまくりでそりゃTACさん欲求も溜まりますっ。

 

 

そんなワケで、会えない期間はそれこそ毎日のよーに夢にまで見た、

カノジョのオッパイ。(↑注:妄想による美化200%のイメージ補正が入ってます)

 

・・・ええ、それこそ手の届かない雲の上の存在にも近いものがありましたよホント。

 

 

 

 

 

 

 

そして――現在。

 

 

 

 

ほとんど24時間体制で乳丸出しの生活をしているヨメ。

 

曰く、「ヒマさえあれば授乳してるのでイチイチ仕舞ってらんない」らしい。今ではすっかりTACの父の前でも平気でチチまくるよーになった。
いや、気持ちは十分判るんだけどね・・・。

 

 

おかげでかつてあれほど恋い焦がれたオッパイは、今やそのありがたみを完膚なきまでに失った。

 

 

なんかもう、「ナナ専用ミルクタンク」ってな感じである。
あ、だからといってもう全然興味ないかというとそんな事は絶対にないのでたまにはとーちゃんにも返しておくれ娘よ。

 

 

 

 

 

――そういえばある日、ヨメが体を丸めて前のめりになったまま固まっていてビックリしたことがある。

腹でも痛いのかと心配して声をかけると振り返り、一言。

 

 

備蓄用に冷凍保存しておくため、余った母乳を搾っていたらしい。手で。

ぎゅむ〜

搾乳機を使え。

 

 

捕まり立ちができるよーになりました。得意顔。


【ナナ食べる】

 

9ヶ月目。ナナはおかげ様で順調に育っている。

捕まり立ちを覚え、制空圏は更に拡がった。もう卓袱台の上も十分に有効射程距離内なので小さい物は放置できない。
手が届けば何でも口に入れてしまうからだ。

 

 

 

とうとうが生えてきたこともあり、本格的に離乳食を導入。
オッパイは専ら寝かし付け&泣いた時専用とし、お腹が空いた時はヨメが粥など作って与えている。細かく刻んだ野菜やちりめんじゃこを入れたりと、それなりに栄養バランスも考えてあるようだ。

・・・コレは間違いなく母側の遺伝だと思うが、ナナはかなり食いしん坊である。

食事に対する姿勢は貪欲なほどに真剣で、実によく食う。
お気に入りのお菓子の袋が「ガサッ」という音を立てただけで敏感に振り向く。犬かオマエは。

 

★ナナの大好物

(1)パン粥 ――ヨメが豆乳で作るパンのお粥。かなりンまいらしく、前のめりになって喰らいつく。

(2)焼きイモ ――ヨメの大好物だから当然ナナも好き。小さく千切って与える。も当然増える。

(3)タカキビのおかし ――自分の手で摘まんで口に持っていく。ただ手を離すことが出来ず指ごと食ってる。

(4)バナナ ――殆ど一本丸ごと食える。でも皮に黒い斑点が出始めたものしか食べないなかなかのグルメっぷり。

(5)芋きり ――口に入りきらんほど詰め込む。噛み切れんと何故か逆の手に持ち替える。両手がアホほど汚れる。やめれ。

(6)缶ビール ――外側に付いた水滴を舐めるのが好き。すっかりビール缶の模様も記憶したようで、TACが飲んでいるとすぐ寄ってくる。

(7)携帯電話 ――なんか最近液晶画面が汚れてるなーと思ったら犯人はヤツだった。もうかぶりつき。

(8)リモコン ――テレビ、ビデオ、エアコン等の各種リモコン。もはや彼らに安住の地はない。

(9)キーボード ――TACの入力作業中に寄ってきて、一番押して欲しくないボタンをピンポイントで押してくる。ホントにやめれ。

(10)紙全般 ――空箱や広告チラシ、ティッシュなどいつの間にか齧ってる。買い物中に手に取った商品のケースを齧って購入を余儀なくされる。カンベンしてくれ。

(11)電話線のコード ――何度もネット中に物理的回線遮断をかましてくれた。ホントにカンベンしてくれ。ハムスターか貴様。

 

お粥ウマー お菓子ウマービールウマー

 

食欲旺盛なのはタイヘン結構だが、人として食える物だけにして欲しいと切に願う。

特に我が家はお世辞にも清潔な環境とはいえないので、落ちてるモンは全て危険物だ。食うな。

 


2008年12月。

ナナが生まれた記念すべきこの2008年も残り僅かとなり、我が家も大掃除や年越しの準備で慌しい毎日を過ごしている。
そんな最中、ヨメがふと口ずさんだ懐かしいあの年末恒例CMのフレーズ。

    「♪今年の汚れ、無かった事に♪

 

 

 

 

――するんじゃねぇ!!

 

いつも御愛顧ありがとうございます。
来年も、その先もずっと、よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

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