8月7日(土)
 AM8:15 
『妖怪好きな妖怪たちが集結』

 

店内には去年見知った懐かしい顔があった。
「やあ、たいち君。お久しぶり」
妖怪ガロの中でも執筆している若き妖怪研究家である。
そしてトイレから出てきたもう一人の先客カメカワさんと初対面。彼もまた、群馬を拠点に妖怪探求を続けるライターである。

しばらく歓談。
フジコ
 「妖狐と九尾の狐って別モノなの?猫又と化け猫は?」
TAC 
「ん〜。詳しくは判らんけど、多分”妖孤”とか”化け猫”ってのは巨大なグループの
総称みたいなモンで、更にその中でいくつかのグループに分類されてるじゃねーの?キュービのキューちゃん鍋島 さんとこのネコもそのどこかに属するんだよ」
フジコ
 「ああ、ポケモンみたいなもんか」
TAC 
「そうそう、きっと経験値が上がる毎にレベルアップして二尾の狐、三尾の狐、四尾の狐・・・と進化していくんだ」

フジコ
 「九尾の狐が最高ランクかな」
TAC 
「ワンリキーがゴーリキーになって、カイリキーになったようなもんだな。猫又は二尾だからまだレベル2。大したことはないわ」

 

・・・妖怪に大変造詣が深い二人を前に、なんというレベルの低い会話だろうか。

 

TAC
「それにしてもハラがへったな。朝何も食ってないモンな」
たいち
「ああ・・・でもこのへん多分コンビニとか無いっすよ」
カメカワ
「ボクちょっと付近を散策して来ますわ。喫茶店とかあるかもしれないし」
TAC
「あ、そこに地図あるやん?これを持っていけば・・・」

と、カウンターの上に置かれたその地図を広げてみると、それは


「妖怪地ふしぎマップ」

 

 

・・・実に使えねー。

 


電車で八日市駅に着いたZou−さんもタクシーで到着。
その後、続々とメンバーが集まってきた。懐かしい顔、初めての顔。

誰がどういう順番で到着したか憶えてないので、入り口にあった記帳表を参考にまとめてメンバーを紹介。

 

御芳名録

氏名 管理サイト 備考
太郎坊天狗 おばけの美容室 総責任者様
たいち たいちの部屋
カメカワ 群馬妖怪民族資料館
あーりん 神霊カウンセリングDX チームリーダー
ヒロくん

あーりんさんのダンナ
河本けふへゐ 現代百鬼夜行
c@ctus 写真提供者その1
タロザ タロザの妖怪大百科 実は実家が同郷
逸匠冥帝 冥帝文庫
佐野とよふさ 雪女探偵団
紙舞

黒法師 まよひが
珠華

郁丸 郁丸滄海拾珠
好翁 陰陽道本舗
はる はる屋リニューアル 写真提供者その2(ダンナ付き)
にな

(御子様付き)
雨宮さんた 九十九屋
ももんが 怪異・日本の七不思議
左道

松柏

山口敏太郎 ホラーアリス 妖怪王 言わずと知れた有名妖怪ライター
TAC TAC’s DDDD 
Zou−さん ぞ〜さん号室の怪 TACの連れ
フジコ

TACのイトコ

(順不同・敬称略・途中参加途中退去含)

 

黒法師さんと郁丸さんが女性だとは思わなかった。(HNがHNだから)
タロザくんが男性だとは思わなかった。(とてもポップな女の子の絵を描くから)
妖怪王さんがこんな若くてデカイ人だとは思わなかった。(イメージがぬらりひょんだったから)

今回初めて百鬼夜号を見る人は、皆一様に喜んでくれたみたいだ。特に刃ちゃんは大層感動してくれていて嬉しい。
全員がディープな妖怪フリーク。彼らのお墨付きを貰えただけで、百鬼夜号にもハクが付くってモンだね。

 



8月7日(土)
 AM9:30 
『そして巨匠との遭遇』

 

前売りチケット引き換えの時間が来たので、代表で行ってくれる人に自分たちの分も預けてお願いする。
今はまだココを動く事は出来ない。「とある事情」の時間が近づいている。
TACと百鬼夜号は待機中なのだ。ある人物との接触を果たす為に。

 

携帯が鳴る。太郎坊さんからだった。
「実行委員会の方から連絡ありました。移動を開始してください」
出番だ。一人店を出て、百鬼夜号に乗る。エンジン始動。
行き先は八日市ロイヤルホテル。今回の会議に出演するあの人物が泊まっているのだ。
道中、心臓は早鐘のように鳴る。赤信号が異様に長く感じる。
運転中、再び携帯電話が鳴った。昨夜既に八日市入りしている水木ロード◎コムマスターからだ。本当はいけないが電話に出る。

マスター
「今、どこにいるの?」
TAC
「八日市ロイヤルホテルに向かってます」
マスター
「彼、今目の前にいるよ。早くおいでよ」
マスターら「水木ロード組」が同ホテルに宿泊していたとは知らなかった。これは心強い。

八日市ロイヤルホテルはICの近くにある。場所は頭にインプットされている。
ただ入り口がとても地味で目立たない事まではインプットされてなかったので、最初うっかり裏口の方に入ってしまい、出勤してきたパートのオバちゃんをビビらせてしまったことはココだけの秘密だ。

 

ホテル到着。百鬼夜号をエントランス正面にズーズーしく横付け。
マスターと入道さんが迎えてくれる。
「お久しぶりです!」
ああマスターだ・・・見知らぬ土地で、見知った人との再会はなんとも嬉しい。
ああ入道さんだ・・・この炎天下で、この磨き込まれた彼のスキンヘッドはなんとも眩い。
入道さんとは初対面だが、ちっともそんな気がしないのはブッキーの描いたイラストのまんまだからか。確かにマスターの言うとおり、彼ならわざわざ妖怪扮装しなくても十分輪入道で通用する。オイシイ。

黒目さんもやってくる。あいかわらず元気そうで何よりだ。
今回黒目さんは水木ロードの代表として、妖怪会議前に行なわれる「町おこしサミット」でパネルディスカッションをする予定なのである。

TAC
「マスターは撮影班として同行してるわけですね?」
マスター
「うんにゃ。今回のボクの本当の仕事はENTERキーを押すだけ
TAC
「?」
・・・どうやら黒目さんの発表時に、プレゼンテーションのスクリーン映像をパソコンで操作するためだけについてきたそうだ。

 

「じゃ、彼を呼んでくるよ」
そう言って黒目さんがホテル内へ戻る。
一気に緊張する。ああ・・・とうとうこの瞬間が・・・!
あの超売れっ子妖怪小説家が・・・っっ!!

 

 

 

 

 

 

ナマ京極
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!!

 

 

 

 

正面が巨匠京極夏彦先生
その隣の太った人が、やはり今回の会議出演者
多田克己先生
そのまた隣が雑誌「怪」編集長
郡司さん
後ろの金髪の方はライターの村上さん

 

 


ホンモノである。

どこをつまんでもキョウゴク肉である。
(つまんでませんが)
どこを切ってもキョウゴク汁である。
(切ってませんが)
しかもトレードマークの着物や皮手袋をしていない素キョウゴクである。
(ある意味貴重)
あ、あの右手だ。あの右手が、「狂骨の夢」をはじめとする百科事典並に人を殺せるブ厚さの妖怪奇譚を何冊も量産してきた神の手だ。
でもTACの京極作品デビューが実は「どすこい(仮)」であることはココだけの秘密だ。

ああ・・・水木先生に次いでまさかこの人にまで会えるとは夢にも思ってなかったよ。ありがとう百鬼夜号、キサマのおかげだ。

反応は上々

先生
「ここに水木先生のサインを入れて貰うといいよ」
そりゃありがたいですけど、今度こそそこらに路駐できなくなります。

先生
「水木ロードの公用車は全部こういう風にしないと」
そりゃ光栄ですけどカンベンしてください。

先生
「こんな小さい車じゃ勿体ないからバスとかに」
過労で倒れますって。

先生
「いや、いっそ電車に」
殺す気でs
  (T▽T)

 

 

 

そそくさとミッション開始。
木を輪切りにして作られた板とマジックペンを手に先生と接触。

TAC
「先生。車の中に飾りたいんでコレにサインお願いできますか」
先生
「ああ。でもボク、筆じゃないとサインできないんですよ」

知らなかった。

先生
「黒目さんにでも渡しておいてくれれば会議場で書きます」
TAC
「あ、ありがとうございます!!」

 

多田先生にもサインの許可を得た。
あと荒俣先生の分を含めた3枚の板を高橋さん
(ゲゲゲのしげる会・会長様)に託してミッション・コンプリート!

ナマの京極先生はとても気さくな方だった。
例のごとくTACは始終硬直しっぱなしだったからロクに話せなかったが、水木先生とはまた異なる独特のオーラを発しておられた。
まさしくホンモノの妖怪だった。

 

先生らは10時からリハーサルがある。そろそろ時間だ。
去り際に京極先生が発した一言「労作ですっ!」がとても嬉しかった。
先生、お忙しい中を百鬼夜号のために時間を割いてくださって本当にありがとうございました!
光栄でした!

それからこの場を提供してくださった八日市実行委員会の堤様、黒目さん・・・本当に大感謝!!

 

 

実はこの間の模様をマスターが撮影してくれたムービーが存在するのだが、彼の嬉しい手違いにより最高画質の長時間撮影であるためサイズがデカ過ぎ(その後の彼の撮影任務に重大な支障をきたす)サイトにアップできない。
CDに焼いてくれるそうなので、これだけはお宝映像として個人的に楽しむつもりだ。ありがとうマスター☆大好き!

 


さて一人だけヌケガケTACさん、いけしゃあしゃあと「オバケの美容室」まで帰ってきた。

皆はそろそろ出発の準備に入っている。会議場へは妖怪扮装していくので、皆それぞれに持ち寄った手作りの衣装に着替えはじめている。
つまりこの時点で誰がどんな妖怪になるのか初お目見えとなる。

去年もそうだったが、今年もかなり無節操だ。和洋折衷・・・実にバリエーション豊かなグループである。
中には全然妖怪ではない人もいるが、この個性的な「チームあーりんず」の中にあってはもうそんなコト心底どうでもいい雰囲気である。
今日はお祭りだ。何でもアリだ。

 

フジコ、「ネコ娘」に扮装中。
浴衣がイイ感じ。

 

 

 


あーりんず妖怪ファイル
その

狂骨(TAC)

 

名前は「狂子」。
今年34歳。そんなことはどうでもいい。
つか何も言うな。
自分が幸せならそれでいいんだ。
しかし暑い。
 

 

さてお楽しみ。
ココでTACと同じ「狂骨」に扮するZou−さんの衣装が初公開となる。
髑髏面を描いたTACも、衣装を合わせた完成品を見るのは初めてなのだ。
 


あーりんず妖怪ファイル
その2

狂骨(Zou−さん)

 

名前は「凶子」。
マジで激コワ。夜道で出会ったら10回は失禁する自信がある。
安っぽいウィッグのTACと違って彼女の場合は地毛なので余計にリアル。
道行く子供はマジビビりしてた。
道行く大人もマジビビリしてた。
 


しかしさすがプロの仕事である。
正体不明のTACの衣装に対し彼女のは着物バージョンの「狂骨」なのだが、袖のビロビロや汚れ方
(紅茶&コーヒー染め)も実に見事な完成度だ。
何より一番感動したのは、TACが衣装の形状上ロクに荷物を携帯できない事を察した彼女が、自分が荷物持ちになること前提でウェストポーチにも狂骨バージョンに改良加えていたことである。衣装との違和感が出ないように、同じ素材でビロビロが付いているのだ。素晴らしい。アナタ天才だ。
でもやっぱコワイですその顔。
(悪いのはワタシ☆)

 

他の皆も着替えが完了したようなので、オバケの美容室を出てぞろぞろと会場への移動を開始する。

実に異様な光景


百鬼夜号は会場に展示される事になっている為、TACは車で行く事になる。
ふと隣を見ると、フジコが助手席に座っている。
TAC
「なにやってんだ。皆と一緒に徒歩で行け」
フジコ
「歩くのかったるい」

俺が知る限りキサマ最年少だろがゴルァ!!

 

はい、たった今訂正が入りました。
最年少は刃ちゃんだそうです☆
また珠華さんも同い年だそうです☆

 


あーりんず妖怪ファイル
その3

猫娘(フジコ)

 

ぼっくんの妹。21歳。巨乳。
首から提げた鈴がずっとやかましかった。
周りからは「カワイイ」と割と好評だったようだ。
赤くて長い付け爪のせいで殆ど自分では何も出来ず
(缶ジュースのプルタブも開けられない)地味に迷惑をかけていた。
 

 

会場への道すがら、歩道を行くたくさんの妖怪を見かけた。
しかしこの狂骨衣装での運転は難しい。
(マスクは被ってませんよ、念のため)

 

 

 


 

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