8月7日(土)
 PM16:51 
『さあ出陣だ』

 

さてオバケの美容室に戻ってみると、既に打ち合わせが始まっていた。
「百鬼夜行」は八日市駅からスタートして商店街をパレードするわけだが、その道中に一箇所「審査ポイント」が設置されていて、審査員の前でちょっとしたパフォーマンスをする時間が与えられている。これは別に強制ではないのだが、ここでいかに自分の妖怪扮装をアピールするかが賞をゲットする上での重要なポイントとなるのだ。
あーりんずのパフォーマンスは、リーダーのあーりんさんとヒロさんの指導のもと、すでに形が出来上がっているようだ。「人間になるのに必要な宝珠を手に入れる為、見越し入道率いる悪の妖怪軍団に立ち向かうキョンシーの物語」を寸劇で見せるらしい。

 

・・・実は。

「審査員の前でパフォーマンスしなければならない」事を漠然と知らされていたTACは、万一の時のために自分たち用のネタを考えていたのだった。
ところで皆さん、気付いてますよね?
なぜ狂骨が二人もいて、わざわざ「狂子」と「凶子」の名札をつけているのか。

狂子と凶子・・・キョウコが二人・・・キョウコ2

 

 

「はぁ〜〜いどうも〜〜〜☆狂子で〜〜〜す♪」

「ワタシも凶子で〜〜〜〜〜す♪」

 

 

キョウコが二人で!!

 

 


「お正月〜〜〜〜〜☆」

 

すぱーーーーん!(ここでフジコのハリセンによるツッコミが入る)

「失礼しました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

 

 

 

 

・・・というカンペキなシナリオである。(どこがやねん)

実は会議が始まる前、我々の近くに座っていた黒法師さんにこのネタを教えたところ、
「え?キョウコが二人でなんでお正月なんですか?意味わかりません」
と、ものすごくフツーに突っ込まれてしまった。そこが笑うトコなんですけど。
・・・ひょっとして「和尚が二人でお正月」なんて古いネタは最近の人は知らないんだろうか。
今振り返るに、つくづく「ああ、やらないでよかった」と思う。 危うく恥をかくところだった。

とにかく今回のあーりんずの寸劇では、狂子も凶子も「キョンシーに襲い掛かって一撃のもとに倒される見越し入道の手下」の役となった。 よーするにショッカーの戦闘員である。
襲い掛かり方と倒され方を教えてもらって準備は万端だ。

全てのザコ妖怪を倒した後はキョンシーと見越し入道の一騎打ちとなるわけだが、ココからは本格的なアクションとなる。
知る人ぞ知る話だが・・・キョンシーを演じるあーりんさんは神霊カウンセラー風水士というどちらかというと社会のに位置する仕事の他に、実はヒーロー ショー・キャライベント専門のステージアクターというものすごく明るい別の顔も持っている。(ヒロさんも)
ゆえに、立ち回りのリハをするこの二人の動きは流石プロといった感じであった。

 

大爆笑必至!
あーりんさんの「キャラショー楽屋日記」
裏話テンコ盛り!オススメです!

 

 


あーりんず妖怪ファイル
その10

雷様(けふへゐ)

 

せめて「雷神」とでも呼べば妖怪っぽいのだが、これはどう優しく見てもドリフのコントだと思うので、あえてカミナリさまと呼ぶ。
アフロが似合い過ぎだ、けふへゐくん。

ダーク系の色が多い妖怪行列の中でやたらと目立つパステルブルーの彼は、視界の悪さゆえに迷子になりやすいTACにはありがたい存在だった。

 



八日市駅前に移動。
大通りは既にパレード参加の妖怪軍団とギャラリーの人々でごったがえしている。

そんな人の海をまるでモーゼの十戒のごとく割りながら進む我らがあーりんず。・・・なんかやたら人々の視線がワタシに集中しているような気がするのは気のせいか。気のせいだ。きっとZou−さんだ。
道を譲ってくれてるというより、恐怖のあまり避難・逃走されているような気がするのは気のせいか。気のせいだ。
今すれ違ったガキが怯えて父親に泣きついたような気がしたけど、気のせいだ。

 

特設ステージの脇で待機。
他の妖怪チームを見回してみると、隣はカッパさんの集団、後ろは死神さんの集団。皆、グループ毎にテーマが統一している。
そんな中でゲロのよーに無秩序な我ら。逆に目立ちまくり。

ここでも声をかけてくれた人がいた。「Smoking area」りうけつさんみずぼし巽さんである。おおお〜〜っ、自画像のまんまや。ハーレーとか似合いそうなカッコイイおっさんや!
彼らもまた、このHPを見てわざわざ大阪から駆け付けてくれたのだ。狂骨の姿が目印になったようだ。こういう出会いってホント嬉しいねえ。

(りうけつさんのレポもあわせてどうぞ。写真が豊富です!)

さっきからずっとこちらを見ていたオバちゃまにも声かけられた。
「男の人?女の人?」
「えと・・・一応、オトコです」
「あら、そーなの!あんまり細いから女の人かと思っちゃったわ」
わはははははははははははははははは
嬉しくねえっす。

 

・・・・・それにしても。

暑い。

本気で暑い。
いやホント、マジで暑い。
この日の八日市の気温がどれだけだったのかは知る由も無いが、少なくともマスクの内部が40℃を超えていた事は自信もって言える。この時点で既に汗ダクを通り越してツユダクの狂子さん。これ以上痩せたら自動ドアも開かなくなる。
自販機で買ったペットボトルのお茶を持参のストローでチューチュー。その姿は道行く人の笑いを誘っていたがこちとら笑い事ぢゃねえ。これは生きるための懸命な水分補給だったのだ。

チーム毎にステージに登壇して紹介タイム。
それが済んだ順にパレード開始だ。


Movie 『ダラダラと移動中』
ISDN   ADSL
(Mac用QuickTime)


 


あーりんず妖怪ファイル
その11

手の目(タロザ)
黒子(佐野とよふさ)

 

タロザさんは一見何の変哲も無い和服姿だが、実は両の手の平に目玉が付いている。芸が細かい。細かすぎて見えない。
黒子の佐野さんはよほど気に入っているのか昨年と同じ太鼓を持ってずっとポコポコやっていた。
きっと来年もポコポコやっているのだろう。

 

狂骨のマスクは暑さ以外にも色々問題があった。
まず覗き穴の位置が微妙に合ってない。どうしても寄り目になってしまう。目が疲れるし視界は最悪だった。
しかも。
頭頂部に余裕がある分だけ汗でズリ落ちるのだ。ウィッグも目の前に垂れ下がるので完全に見えなくなることもしばしば。
視界を確保するにはマスクを唇で押し上げるしかなかった。(→)

 

 

つまりパレード中・・・マスクの中のTACはずっとこんな顔していたのである。

・・・このまま何かの魔法で石にされる事だけはなんとしても避けたいと、つくづく思った。

 


Movie 『うだうだと休憩中』
(寄って来たガキにチョッカイを出すTAC)
ISDN   ADSL
(Mac用QuickTime)



変身願望などという大層なものではないが、自分ではない何かを演じるというのもたまにはイイもんだ。コスプレイヤーや覆面レスラーも同じ心境だろうか、正体を隠してるワケだから無責任な開放感
(物理的には閉塞感アリだが)が心地良く、行動も大胆になれる。
こちらを凝視して固まっている子供あからさまに逃げ腰の娘さん達を見ると、ついちょっかいアクションを返したくなる。
とりあえずお近付きのしるしに狂子標準装備の必殺武器「泰山流千条鞭」でビシバシ。
(遊んでる場合じゃない)
おっ逃げた。よっしゃ俺の勝ち!ぐひゃひゃひゃひゃひゃ・・・・(笑ってる場合じゃない)

百鬼夜行も中盤を迎え、審査ポイントの手前で例のごとく渋滞に引っ掛かる。この時点で、今まであーりんずと共に同行していたトキメキ百々目鬼ツインズ(かなよさんとアケミさん)がお帰りになった。時間の都合上、残念だが仕方がない。
ありがとう。また会いましょう!

 

 

やられた〜〜〜☆

パフォーマンス本番は上々の出来だったと思う。
マイクを持ったヒロさんが、自身の演じる見越し入道とキョンシーの”声”を一人二役でアテる。さすが慣れたものだ。
狂子と凶子も果敢に戦い、あっというまに無事倒された。

 


Movie 『課長ってヅラだったのね・・・』
(パフォーマンス終了時のちょっとしたハプニング)
ISDN   ADSL
(Mac用QuickTime)


審査ポイントを抜けたら商店街が途切れる所まで行進を続け、そこでとりあえず終わる。
あとは八日市駅前での結果発表まで休憩時間だ。ズリ上げた狂骨マスクの下から口だけ出して、食べたカキ氷がとても沁みた。この一杯の為に人を殺してもいいと一瞬思った。

ここで、そろそろ帰るらしいりうけつさん達がお別れの挨拶に来てくれた。
短い間でしたが、会えて光栄でした!本当にありがとう。
別れ際、百鬼夜号を一目みたいという彼らに「オバケの美容室」の位置を教える。かなりテキトーな説明だったが彼らはちゃんと発見し、バッチリ写真撮影して帰ったそうな。エライ。

また今回のパレードでも、マスターと入道さんが殆どツキっきりでたくさんの写真を撮ってくれた。大感謝
マスターの肩には目玉オヤジ人形がピカピカと光っている。
「おっ、コレ凝ってますね。点滅するんですか」
「いや、ただの接触不良

・・・境港のアニキは今日も正直者だ。

 

 

そろそろ閉会の時刻が近づき、あちこちにバラけていた参加者たちがゾロゾロと八日市駅前に集まってくる。駅前では大スクリーンにアニメ「犬夜叉」の映画が上映されていた。
ここで、百鬼夜行の成績発表と授賞式が行なわれるのだ。

手応えはあった。
注目度は文句なしだったし、バラエティーも豊富。なにより人数が群を抜いている。
TACは確信していた。
次々に各賞が発表され、受賞者が登壇していく。あーりんずの名はまだ挙がらない。
だからこそ確信していた。
我々が目指しているものは・・・おそらく一番最後に発表されるのだから。

 

そして、ついにその瞬間は来た。

 


Movie 『栄光は誰の手に?』
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(Mac用QuickTime)


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「百鬼夜行大賞」!!

あーりんず、見事優勝である!!

 

 

この時点で狂子は、途中から合流したになさんちの長男君(去年同様、化け猫)に金髪のヅラを横取りされていたため、登壇した時も記念写真撮影時も鉛筆みたいなトンガリ頭の骸骨さんに成り下がっていたのだが。
サイコーに気分は良かった。
褒めよ称えよ。あーりんず団結力の勝利だ!みんなお疲れ!そして感謝!!

 

今年の夏も、熱い暑い思い出を本当にありがとう!

 

 

 

 


サービスピンナップ「キョウコ2」
携帯の待ち受けにどうぞ

 

 

 

(ムービー撮影・提供:目玉マスター様


8月7日(土) PM21:40 『さあ 打ち上げだ』

 

優勝祝賀会ともいえる打ち上げは、オバケの美容室で行なわれた。
お疲れ様でした、カンパーーーーーーイ!する前に、TACはまだZou−さんとフジコを宿泊先の八日市ロイヤルホテルまで送っていかなきゃいけないので、お酒は御預けです。トホホ。

お寿司と唐揚げなどをつまみながら、あらためてメンバーを見回してみる。
う〜〜〜ん、やっぱり豪華な顔ぶれだ。妖怪王の山口さんを筆頭に、妖怪本を出版してる人や雑誌に記事を寄せてる人など。ひょっとして今の俺、めちゃくちゃスゴイ状況に置かれてるのではないか?このメンバーなら、妖怪に関するどんな質問にも答えてくれるだろう。
聞いとけ聞いとけ。前から疑問に思ってたこと今のうち聞いとけ。あ、もうこんな時間?

Zou−さんとフジコをホテルに送る。

ホテルでシャワーを借り、サッパリする。
今日一日で実に一週間分の汗をかいた。燃える赤パンツも人を殺せる強烈なかほりを放っているだろう。もしあのまま寝てしまったら「オフ会のTACはすべからく不潔☆」という不名誉なジンクスが定着してしまうところだった。
(すでに定着済み)
明日はけふへゐ君企画の滋賀妖怪・怪談ツアーに参加する予定になっている。翌朝迎えに来る時間を確認し、一人オバケの美容室に戻る。さあ、これから朝まで飲むぞーーーーーーーーっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

すんません。撃沈でした。(またかよ)

 

 

やっぱあきまへん。あれだけ汗かいて疲弊しきった状態では、缶ビールたった2本であっという間にオチました。
ああ、せっかく山口さんにいろいろ質問したかったのに勿体ない!もっと他のメンバーとも話をしたかったのに勿体ない!若い女の子もいっぱいいたのに実に勿体ない!妖怪好きな女の子なら話も合うから、あわよくばそのまま連れ出しt←(やっぱコイツ潰れて正解だったようです)

 

 

・・・妖怪地の夜は、かくも賑やかに更けていくのである。

 

 

 

(二日目に続く)

 

 

 

 

 

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