・・・いや、ボクは「やめたほうがいい」と言ったんですけどね?
恥ずかしながら個展なんか
開いちゃいました。
生まれてきてゴメンなさい。
今更紹介もナンなんですけど、我が町・岐阜県美濃市は「和紙とうだつのある町」で知られ、かつて戦国時代末期の鉈尾山城(古城山 城主:佐藤家三代)、江戸時代の小倉城(小倉山 城主:金森長近)の城下町だった頃から残されている古い商家が軒を連ね・・・ってスマン、詳しい事はよくわからん。
とにかく歴史ある古都なのだ。ちんまいけど。
「うだつ」とは屋根の両端を一段高くすることで火災時の類焼を防ぐために造られた防火壁のこと。お金持ちのステータスだったらしく、庶民の羨望の的だった。「うだつが上がらない」などの言葉はココに由来する。
美濃市には日本最多のうだつが残っている・・・らしい。スマン、詳しい事はよくわからん。
そんな中でも国の重要指定文化財として君臨しているのがここ、小坂家。
江戸時代から続く現役バリバリの作り酒屋で、ここで造られる清酒「百春」は美濃が誇る銘酒である。TACも大好き。
特に百春の「大吟醸・斗壜取り」という一升瓶一万円(!)の庶民には滅多にお目にかかれないレア商品は、キーンと冷やして女の子にでも飲ませればあっという間に前後不覚になるのでなかなか重宝(ry
(株)小坂酒造(〒501-3723岐阜県美濃市相生町2267番地)
TEL.0575-33-0682 FAX.0575-35-1365
「ねえ、ウチのギャラリーで妖怪画の個展やってよ」
一体どこまで本気だったのか、コサカさんからこの話を持ちかけられたのは随分前のことだった。実は知らなかったのだが、店舗の奥に古い米倉を利用した一般開放のギャラリーがあるのだ。
コサカさんは非常に博学でユーモアのセンスもあるこの町の名士だが、実は妖怪好き。そしてなによりTACが今までに会った全ての人の中で最も完成度が高いサラリーマン山田のソックリさんである。
サラリーマン山田さん→
あまりに似過ぎているため、是非いつか水木先生やマスターに引き会わせたいと思っている人物なのである。
この人の頼みじゃ断れないだろう。(ソレが理由かよ)
ネットで展開している妖怪掛軸総本舗は、おかげさまで地味に売れている。
基本的にオーダメイドであるこれらの掛軸は、お客様からメールなどで依頼された妖怪をTACが独自のアレンジを加えて和紙に墨でブラッシングし、それを表装屋さんで軸装にしてもらって完成する。
この時、TACは注文の絵と一緒に既に描き貯めている他の作品を二枚添えて表装屋さんに渡す。(掛軸を三本作る)
つまり掛軸が一本売れると、二本の掛軸が在庫として手元に残るわけである。
今回ようやくこの「在庫」が個展を開くに足る数だけ貯まったので、かねてより依頼があったこの話を進めることにした。
そして、強力な客寄せ効果を期待して百鬼夜号の期間限定展示も行なうことにした。
結果的にこの目論見は大成功に終わる。
開催期間は2005年7月30日から9月10日まで。
当初の予定は8月末日までの一ヶ月間だったのだが、コサカさんからの要望でさらに10日の延長。大盛況のうちに幕を下ろすことができた。
身内も含め、御来場いただいた全ての皆さま・・・本当にありがとうございました!!
←コサカさんの娘さんマヨちゃんによる手書きの店頭看板。
コサカさん
「取り急ぎムスメに書かせたんだけど、あらためて正式なやつをTACくん書いてちょうだいよ」
TAC
「いやいやせっかく書いてくれたんですからコレでいきましょう。嬉しいですよ」
・・・マヨちゃん、ありがとうね!
小坂家は、安永元年(1772)頃の建築。
随所に230年の歴史を感じさせる部分が残されている。
奥が酒造場
入り口から、ほの暗い酒屋の店舗内を奥へと通り抜けると・・・倉が立ち並ぶちょっと拓けたスペースに出る。
そこで来訪者を出迎えるのが我らが百鬼夜号である。
その真後ろに会場の「米倉ぎゃらりー」があった。
今回先方に預けた掛軸は11本。
しかし夏休み期間中ということで小学生などの御子様が来場することも考慮し、あからさまにエロっちぃのは外した。
鬼・提灯お岩・ろくろ首・ぬっぺほふ・朱の盤・濡女・喪成さん・雲中供養菩薩の八本を展示。
この時期の米倉内はエライ蒸し暑かったが、雰囲気はバッチリだ。
会場にはコサカさんの配慮でわざわざ芳名帳が用意されていた。
観光地としてはいまいちパンチが弱い感のある美濃市の、こんな奥まった場所にあるギャラリーに一体どれだけの人が来てくれるだろうかと当初は正直疑問だったが、個展を終えてから改めて芳名帳を見てみるとその数、実に200余名!
想像を遥かに超える数だったのでちょっとビックリした。
「記帳してくれる人は来場者のせいぜい3割」という言葉を信じれば、その3倍は来てくれたことになるのだろうか?
身内や知人はもとより、遠くは北海道や岡山などから訪れた観光客の方々や、小学校時の同級生だった女の子、HPを見てわざわざ他県から駆けつけてくれた人など・・・本当に嬉しい限りである。
また名前だけではなく、とても温かなコメントを添えてくださってる人が多く、「怖さの中に温かさがある」とか「旅の良い思い出になりました」など、その一つ一つの言葉がとても励みになった。子を褒められる親の心境か。
この場を借りて、御来場の皆様にあらためて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!!
・・・買ってくれるともっと嬉しいんですケドね。(ぼそっ)
コサカさん、御世話になりました!
今回来場してくれた人の一人で、このページのステキな写真を提供してくださった
みてるだけ2号さんのHP「CAR
GRAFITTI」
多謝!
プロローグ
よもや・・・
よもや再びコイツを
着ることになろうとは。
その電話を受けたのは忘れもしない、鳥取出張中の7月21日。
千年王国事務所内でDACK姐さん、はっちー、入道さんたちと仕事サボ・・・クーラーで涼んでいた時だった。←たいして変わらんがな
バイブの振動に気付いて取り出した携帯の着信画面には「工場」と表示されていた。ウチの職場である。
欠勤中に職場からかかってくる電話なんてロクなもんじゃない。大抵は「あの工具どこやった?」とか「先日納めた車のクレームが云々」など緊急を要する事態が起こったという事だ。
TAC、あからさまに拒否モードで電話に出る。ピッ。
TAC
「知らん。違う。俺じゃねぇ」
ムラカミ
「話を聞け」
電話の相手はウチの事務員でありながら何故か最高権力者でもあるムラカミK子さんであった。
用件は簡潔なものだった。
至急TACに連絡を取りたいという人から電話があったので、そちらから直接先方に電話せよと言う内容だった。覚えのない携帯番号を告げられる。
TAC
「相手は、なんて人?」
ムラカミ
「ヒロスマのミヨシのキッカワさんとか言ってたよ」
それだけでピンときた。
広島の三次といったら「物怪プロジェクト三次」だ。
用件も容易に想像できる。過去に二度ほど依頼があり、しかしことごとく実現しなかった「三次もののけ祭り」への百鬼夜号出展要請に違いない。
電話を切り、メモした「キッカワさん」の番号をプッシュする。
数回のコールの後、相手が出た。
吉川さん
「はじめましてー。ヒロスマの吉川と申しますでがんすー」
TAC
「はじめまして。TAC@鳥取出張中ですー」
(中略)
吉川
「(かくかくしかじか)というわけじゃけー、なんとか8月27日に三次に来てつかーさい」
TAC
「まあ、とりあえず今ンところは予定なかっと思いますがやー」
吉川
「百鬼夜号はこっちで陸送の手配しますけん、TACさんは体一つでこっち来んさってくれれば交通費と宿代は出させてもらうけんね」
TAC
「そら助かるんじゃが。で、具体的にわしゃあ何をすりゃぁええんじゃろぉか?」
吉川
「午前中はメイン会場のもんのけ村に、午後からぁ三次文化会館に百鬼夜号を展示したいゆうて思うとります。稲生物怪絵巻の講談と三次が舞台の某アニメのアフレコショーがある
じゃき」
TAC
「ああ、確かニッペンの美子ちゃん・・・」
吉川
「朝霧の巫女じゃ。つか、それ古いわ」
TAC
「展示ばっかしかい?」
吉川
「夕方から百鬼夜行パレードがあるでがんす。これの先導車として百鬼夜号の運転をお願いしたいんじゃが」
TAC
「八日市みとぉなやつか?妖怪扮装した人がえっと来るんかいのう?」
吉川
「今年が初めてじゃけん、そがぁにいないかもしれんが、声優さんたちが来るけぇ”その筋”のファンの人らぁえっと来ますよ」
TAC
「ああ、裏切りの過去の」
吉川
「朝霧の巫女やっつに。あんたワザとゆってんか?」
TAC
「二日目はどないしょーるんの」
吉川
「CCプラザっちゅうデパートの特設会場で映画妖怪大戦争の上映をするんじゃ。ここでも外の駐車場に展示させて欲しいんじゃけんど」
TAC
「展示中の間、わしは自由にしょぉっていいんか」
吉川
「はい、よけりゃぁアニメの舞台になった実際の場所を巡るスタンプラリーにも参加してつかぁさいよ」
TAC
「袈裟斬りのタコのんか?」
吉川
「朝霧の巫女じゃ。しばくど」
(注1:上記の広島弁はかなりテキトーです)
(注2:吉川さんはもっと紳士的な人です)
・・・そんなこんなで、まだ鳥取から帰ってないうちからヒロスマ行きがなんとなく決まってしまった。
百鬼夜号遠征シリーズ第5弾
仁義なきオフ会
広島・夏の陣