・・・とうとうやられた・・・
祝・ 10円ぱーんち☆
ワーイ キャー マジカヨー スゴーイ
♪:*.;".*・;・^;・:\(TT◇TT)/:・;^・;・*.";.*:♪
・・・・・・スー・・・・・。
(深呼吸)
ぶ
っ
こ
ろ
お
ぉ
お
ぉ
とかなんとか言ってる場合じゃございませんね。
ハイ、さっさと直しましょうそうしましょう。
いや、確かに最初見た時はちょっと凹みましたけどね?
「ああ、とうとう来たか」というのが正直な感想でした。実際コレだけ目立つ車だと、車検取った最初の一週間以内にまず一発目がくるだろな〜くらいの覚悟はしてたんですよマジで。
なんと5年もちました。快挙。
皆さん「傷つけたら間違いなく呪われる」とでも思ってるのか、ええ今まで一度もヤラれたことはありませんでした。世の中も捨てたもんじゃありません。
で、今回のコレですよ。
やられた時期も駐車してた場所もだいたい目星ついてます。今まで黙ってたのは、発覚後すぐこのサイトで大騒ぎして、その愉快犯を喜ばせるようなことはしたくなかったから。
ナメんな。俺は鈑金屋だ。
こんなもん意地でも一日で直したる。
ついでだからネタにしたる。
というわけで一週間後に京都オフを控えたある休日。
さっそく工場に百鬼夜号を持ち込んで、とっとと治療してあげることにした。
【1】サンディング
引っかき傷と周囲の段差が無くなるまでサンドペーパーで水研ぎする。
凶器は10円玉か釘か?
結構傷は深く、クリアや塗料の層を突き抜けてる部分もあるので、結局鉄板が見えるまで研ぎ下ろす必要があった。
患部は3ケ所。
あみきり両脇の背景部分はまだしも、土転びにかかってる部分が痛々しい。
おのれ犯人め。地獄に落ちろ。
【2】下地塗装
普通はサーフェイサーというのを吹く。
でもメンドくさいので(こらこら)白色を厚めに塗ることにする。
こうやって手を抜くと、出来上がりを透かしで(斜めから)見たときに修繕箇所が判ってしまうのだが、このテのブラシびっしり車では目立たないのでOK。
出来るだけ妖怪部分にかからないよう、ブラシのハンドピースを使って最小限に。
【3】補修ブラシ
ブラシ開始。
土転びの頭部は殆どイチから描き直しだ。
ま、どうってことない。
背景も、影を描き込んで誤魔化す。
どうだ。もう目立たなくなったろ。
【4】クリア塗装
最表層のクリア(透明塗膜)を塗る。
研いだ部分を完全に覆うように塗り、旧塗膜に重なる部分は外側に向けてボカす。
ボカシ剤で希釈したクリアで、さらに周囲のボカシ部分の肌を整える。
あとは10分程度のセッティング時間(放置)をおいて、赤外線ヒーターなどで乾燥。
【5】ポリッシング
完全に乾いたら、あとは仕上げの「磨き」だ。
コンパウンド(磨き砂)の「極細目」から「超微粒子」を使って、クリアの霧がかった部分が無くなるまで患部周辺を磨く。
完成☆
最後に犯人へ一言。
なにかイヤなことでもあったんでしょうか?
ムカついてるときに、たまたま見かけたこの車に鬱憤を晴らしたんでしょうか?
で、少しはスッキリしました?
もうやめて下さいね。
百鬼夜号に限らず他のどの車に対しても。
ただ非建設的なだけじゃなく、他人の足を引っ張る・・・そんなつまんないものですか、アナタの人生は。
一時のウサ晴らしにはなるかもしれない。
でもその行為はアナタを幸せにしましたか?
人に不幸を与えて自分も幸せにならないような無益な事はやめましょうよ。
百鬼夜号で最後にしてください。
ヤツは車ですから不平不満も言えませんが。
私には痛みをジッと堪えて泣いている姿が眼に浮かびます。ヤツが何をしたって言うんですか。
老体に鞭打って、一生懸命全国を渡り歩いて、たくさんの人に笑顔を配ってくれてるんですよ。頑張ってるんですよ。
何より私の人生に多くの喜びと友だちを、そして愛する人まで与えてくれた、大恩人にして大親友なんですよ。
もう苛めないでやってください。
お願いします。
私に対する誹謗中傷は大いに結構です。
しかし今後もしアナタが再び百鬼夜号を傷付けるようなことがあったら。
その時は許さない。
よもや・・・
よもや三たびコイツの
出番が来ようとは。
しかもまさか他人様に
着せることになろうとは。
時期的にちょっと↑と前後しますが、2005年9月17日(土)。
わが町・美濃市を舞台にした”宝探し”イベントが開催されました。その名も、
ファンタスティック美濃
「金森長近・築城400年封印の謎」
エラそーなタイトルついてますけどまあ、ちょっと趣向凝らしたオリエンテーリングみたいなモンですわ。(ミもフタもないな)
TACは(社)美濃青年会議所(通称美濃JC)というものに所属しています。
JCは各県各市に存在するので知ってる人もいるんじゃないでしょうか。よーするにまちづくり(地域振興)やひとづくり(青少年育成)を目的とした例会・イベントなどを企画・運営するボランティア組織です。もっとフクザツな説明もあるんですけどメンドウなので割愛。
よく「JCって、ボランティア活動を口実に集まって酒飲んでる団体でしょ?」なんて思われてるフシがあったりしますが、大変な誤解です。口実なんかなくても飲んでいやいやいやマジメにやってるんですよホント。飲みに行くほどカネもねーし(ホンネ)。
今回のこのイベントは美濃JC主催で、しかもTACが属する「まちづくり推進委員会」が企画したものなのです。
漠然と「宝探し系のイベントをやろう」という構想の段階で、なかなかバックグラウンドのストーリーが決まらなかった頃。業を煮やしたTACが委員会の席で、
「ガキってのはマジメ一辺倒な物語なんかにゃ目もくれへんぞ。さらわれたお姫様助けに行くとか、ものすごい化け物を退治しに行くとか、TVゲームにあるような刺激的なストーリーじゃなきゃダメだよ。・・・そうだな、例えばさ。
大昔、美濃の町が造られた時に地下深く封印された魔獣かなんかがいて・・・現代に復活しそうになってる、と。それを再び封印するために必要な”何か”を探しに行く・・・みたいな」
・・・と、ほとんど冗談交じりで口を滑らしたものがそのまま採用され、企画がスタートしてしまったのである。言いだしっぺのTACさん、もう後には引けない。
あげくにはこんなポスターまで描かされ、当日までそれはそれはたくさんの会議と準備に追われたのだった。
ストーリーは以下のとおり。
かつて金森長近が美濃の町を設立する際に彼の手によって封印されたこの魔獣は、その後も幾度となく復活して美濃を業火に包むも、その都度勇気ある者たちの手によって封印されてきた。
・・・そして現代。400年の時を経て、今まさにその魔獣が復活しようとしている。
|
金森長近も村瀬籐城も、美濃の歴史を語る上で欠かす事ができない重要な実在人物。
・・・しかし言うまでもない事だが、かつて魔獣を封印したという事実はない。
それから例のポスターが印刷屋からロールアウトされた後に気付いたことなのだが、一応織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の3人に仕えた名高い戦国武将であるということでこんな勇ましい姿に描かれている長近さん・・・
↓
実は美濃を作った当初、70歳過ぎのお爺ちゃんだった事が判明。
隅から隅まで史実を完全に無視したオリジナルでっち上げ設定。
あとはどれだけの人があのポスターに上手く騙されて参加してくれるか祈るばかりだ。
ゲームの手順は以下のとおり。
【1】1〜5人のチーム単位で参加登録。
【2】古文書に記された4つのヒントと、美濃の歴史や偉人に関する簡単な資料を渡される。
【3】4つのヒントはそれぞれ4つの場所(美濃市内の名所・旧跡)を示している。
資料の情報からその場所を推理して、そこへ行く。
【4】各場所でスタッフから渡される「重要な手がかり(A〜D)」を全て集める。
【5】4つの重要な手がかりから「封印の言葉」が隠された最終ポイントの場所を推理。
【6】最終ポイントで「封印の言葉」登録用紙を入手。
【7】スタート地点まで戻り、受付で登録してゲームクリア。
・・・しかしこの計画には重大な問題があった。
↑を見れば判るように、魔獣が一回も登場しないのである。
まあ「復活する前に封印する」設定だからそれもアリなんだが、あのポスターを見て過大な期待を抱いて参加してくる人も少なくはあるまい。
落武者も鎧を着たオッサンも出てこない。各ポイントでスタッフ票を付けたオヤジに紙切れを渡されるだけ。
もうちょっとゲームを盛り上げるための演出が欲しい!なんとかならんか。
しかしここに立ち塞がるのが「予算」という壁である。
これ以上、カネをかけるだけの懐の余裕は無いのだ。
TAC
「・・・・・・・・しかたないな・・・・・・・アレを使うか・・・・・・・・・・」
↑
アレ
ポスターの魔獣は「鵺」がモデルですから当然狂骨はカンケーありません。
しかしどうしても何か一つだけサプライズ要素が欲しかったんです。
封印の言葉を渡す最終ポイントのスタッフにコレを着てもらえば、少なくとも油断してやって来たガキはビビらせることが出来るだろう。この際インパクトさえあればそれでいい。
そうだ。魔獣本人が封印の言葉を渡すってのもヘンだから、コイツは「魔獣に殺された人の亡霊」ということにして、「仇を討ってくれ〜」みたいな感じで封印の言葉を渡すということにすればいいじゃないか。よし、そうしよう。もう決めた!
TAC
「というわけで、ヨロシクお願いしますね、O田さん☆」
狂子さんの衣装を初めて見せられたO田さん(最終ポイント常駐スタッフ)は、なんかとても普通に固まっていた。(ごく一般的な反応です)
当日。快晴。絶好のイベント日和。
ムチャクチャ暑い一日だった。
そして、結論から言えば大成功に終わった。
参加者は97チーム。総勢330名。
炎天下の美濃の町並みを、地図とヒントを携えた子供や家族連れのチームが「封印の言葉」を求めて元気よく”探検”した。
狂子に扮したO田さんも絶好調だった。
当初は着るのをかなり嫌がっていたようだが(あたりまえ)、最終ポイントに意気揚々とやってくる人々全員が彼を見て凍結。
小さなお子様はマジ泣き。もしくは遠くから恐る恐る様子を窺ってなかなかゴールに到達出来ないでいる。
ビックリした子が後ろにいた友だちを巻き込んで将棋倒しになり側溝にハマるなどのアクシデント続出。ここまで怖がってくれれば持ってきた甲斐があったというものである。
TACは当日会場周辺の巡回監視役だったのだが、巡回車の発着拠点が最終ポイントと同じ場所(村瀬籐城の彰功碑)だったので、何度か参加者の驚く現場を見ることが出来てなかなか楽しかった。
イベントは大した事故や怪我人もなく時間通りに無事終了。最後の景品抽選会や表彰式も滞りなく済んだ。
参加者にはイベントの感想等を収集する為のアンケートに答えてもらったのだが、「すごく楽しかった!」「また是非こういうのを企画してください」という意見が多数寄せられ感激だった。ここまでに苦労も多かったが、そのぶん達成感は格別だった。
ただ、そのアンケートの中で一番多かった意見。それは・・・
「魔獣が怖かった」
「最後に出てきた魔獣にビックリ」
「まじゅうこわかったです」
「魔獣を封印できてよかった」
「あの魔獣の人はちゃんと昼食の弁当食べられたんでしょうか。心配です」
「魔獣がスゴかった!」エトセトラエトセトラ・・・
アレは魔獣ぢゃねえ
つってんだろがよ!!
ヾ(`Д´)ノ
ヨウカイナラ ナンデモイッショカヨ!
イシカワ委員長が嬉しそうに声をかけてきた。
イシカワ委員長
「いや〜、これだけ人が集まって大成功したのもTACちゃんの描いてくれたポスターと看板のおかげだよ!本当にありがとう!!」
TAC
「いやいやアンタと委員会みんなの努力の賜物だよ」
イシカワ
「また来年もヨロシク!」
TAC
「カンベンしてくれよ。もうあんな割に合わん仕事はコリゴリだ」
イシカワ
「あ、そういえばアンケートにこんな意見もあったよ」
「ポスター描いてる人のファンです☆(24歳♀)」←マジ
是非描かせてください委員長。
糸冬
追伸:O田様
当日は本当にお疲れ様でした。
あの暑い中大変だったでしょうが、あの衣装を私以外で着られるのは多分美濃JCの中でアナタだけだと思います。
参加者にも大好評だったし、まあ結果オーライということで。
で、誠に言い難いのですが・・・ココに懺悔したいことがございます。
あの衣装は過去に2度ほど私が着用しましたが、どちらも大変暑い時期で大汗かいたにもかかわらず・・・・
一度も洗濯してません。
いや、だって。まさかもう二度と着るとは思わなかったし。
しかもまさか他人様に着られるとは想定外だったので。
2年越しに熟成された、とても芳しいかほりだったと思います。ごめんくさい。
でもここは一つ、軽めに車に轢かれたくらいの事故だと思って諦めてくださるといいと思います。
TAC