【重要】 新製品仕様企画書(案)
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《商品名》 | 「愛の妖精・ぬらりぴょん☆」 |
《概要》
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2006年8月26日(土)・27日(日)広島県三次市にて開催予定である「三次もののけ祭り」及び「第11回世界妖怪会議」への参戦を想定した汎用人型決戦兵器
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《セット内容》
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(1)ぬらりヘッド 「妖怪の総大将ぬらりひょんは実はエイリアンだった!」というコンセプトを基に、リアル&インパクト指向でデザインされたヘッドギア。頭部に装着。(別紙写真*1参照)
(2)ぬら〜りアーム |
《材質》
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●ダンボール(メインフレーム)―――――軽量化対策 ●スポンジ(肉付け) ●発泡スチロール(第一次成形) ●障子紙(第二次成形) ●合成樹脂塗料エクセルテックス(コーティング) ●ラッカー塗料(エアブラシによるディテール描写) 結果―――軽量化対策は失敗 |
《ギミック機構図》
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ズームパンチの仕組み
アームを構成する三つの筒には複数の横穴が開いており、縫うように紐が通してある。
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《搬入予定》 | 2006年8月26日(土)AM5:30 妖怪百鬼夜号にて搬送開始 (同日午後、現地到着予定) |
《装着披検者》
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TAC ○妖怪会議への参列 ○妖怪仮装パレード「百鬼夜行」の先導(百鬼夜号運転) ・・・上記の実戦投入において、装着者が人として生存及び行動可能か否かを試験する |
《参考》
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世界妖怪協会公式HP http://www.kwai.org/ もののけプロジェクト三次 http://www.m--m.jp/contents.htm |
――――以上、御検討願います。 (1/2) |
【別紙参考資料】 |
*1*2 《サイズ》 ヘッド 縦500×横460×奥行570(mm)
(2/2) |
(作成日)2006年7月25日
【社外秘】 新製品「愛の妖精ぬらりぴょん☆(仮称)」の
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(第3回企画会議の議事録より抜粋)
――――名称の”愛の妖精”という部分はなんとかならんのか ――――ズームパンチはスムーズに動くのか ――――装着した状態で車の運転は可能なのか ――――頭部側面の刻印「1300」と「4WD」の意味は ――――つかコレ重くない? ――――季節は夏真っ盛りだけど暑くないのか
【問題点のまとめと対策の要点】 (1)アームが簡単に伸びない→機構を簡素化 (2)暑い→冷やせ
(1/2) |
【別紙参考資料】 |
*3 頭部が大き過ぎて試運転を断念 (2/2) |
(作成日)2006年8月9日
【極秘】 新製品「愛の妖精ぬらりぴょん☆」
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(1)ズームパンチの仕組み変更について
メンドくさくなってきたので超シンプルにしました。
(*)自動車のトランクステーを再利用し、持ちやすく改良してあります。でもさらに重くなりました。腕が鍛えられます。 (2)装着者の冷却方法について
●桐灰レイカの採用
●仕込み位置 (A)ヘッド内部――――脳天を冷やします。 結果、ヘッドはさらに重くなりました。 (B)ウエストポーチ・内ポケット――――腹部を冷やします。
以上です。
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26日(土)
TACさんは、朝に滅法弱いです。
どれくらい弱いかというと、職場の始業時間がAM8:30だというのに毎朝8:10頃たたき起こされて「NHK朝の連続テレビ小説」のオープニングテーマを何となく聞きながらそれでもしっかりノンビリ朝飯食らうという何故いつもチコクしないのか自分でもやたら不思議できっと寝惚けて味噌汁 で歯磨きしているに違いないくらい弱いです。
そんなTACさんに早朝5時起きなんて慣れないコトさせるもんだからホラ言わんこっちゃない。
積載車に百鬼夜号載せないまま出発しちゃったじゃないですか。
高速乗る前に気付かなかったらエライことなってた。(お前の寝ボケが既にエライことなっとる)
三次入りしたのは正午をちょっとまわった頃でした。
JR三次駅で昨年もお世話になった「もののけプロジェクト」の吉川さんと合流。彼の車に誘導され、積載車を駐車させてもらう事になっているナントカ運送さんまで移動。ここで百鬼夜号を下ろす。
そこからは百鬼夜号で宿泊先の「長岡旅館」まで行き、チェックイン。
今回は境港からやって来る”漆黒の人妻キラー”目玉マスターと、”(奥さんと息子がこのサイトを見てるので自粛)”入道さんと3人相部屋です。ウフフ、素敵な夜になりそう☆
吉川
「んで、TACさんこれからどないしょーるんつもり」
TAC
「本番は明日ですよね?今日は何かありましたっけ」
吉川
「午後6時から鳳源寺で稲生もんのけ絵巻の講談。9時から比熊山に平太郎体験登山じゃき」
TAC
「あー・・・・・と、とりあえず〜境港組のマスターと連絡とって合流しようゆぅて思いますけぇの。あんなぁらと相談して決めますさけぇ」
一足先に広島入りしているマスターに電話。
マスター
「もしもし」
TAC
「あんたら今どこにいるん。ワシそっち合流しよ思ぅとるんじゃが」
マスター
「・・・なんで広島弁なんすか」
TAC
「不器用な男じゃき、ほっといてくれんさい」
マスター
「三次ワイナリー近くの博物館。『妖怪道五十三次』原画展の会場にいるんだよ」
TAC
「今から吉川さんにそっち送ってもらうき、そん後はそっちの車に乗せてつかぁさい」
マスター
「車は入道さんのと高橋さんの二台あるけん、大丈夫じゃろぅ」
TAC
「・・・マスターこそなんで広島弁なんよ」
マスター
「不器用な男じゃけん」
百鬼夜号はそのままスタッフに預ける事に。
吉川さんの車で「三次奥田元宋・小由女美術館」へ移動。
一般に版画やグッズ製作の元になる「原画」とはつまりコピーである。
コピー前の作者直筆「生原画」は厳重に保管され、滅多に人の目に触れる事はない。汚れたり欠損したりする事だけは絶対あってはならないからだ。
この『妖怪道五十三次原画展』に展示されているものは全てモノホンの「生原画」である。ベタやホワイト修正の跡までバッチリ見える。大変貴重なものだ。
現地で合流したマスター・入道さん、そして実は広島に来る途中某PAで偶然お会いしたモリピタさん夫妻らと共にしげしげ眺める。
TAC
「ホントだ・・・マジもんの直筆だ。妖怪道の版画って結構高いし、コレ一枚だけでも値打ちは相当なもんだな」
マスター
「でしょう?ですから汚い手で触るんぢゃねェぜ」
TAC
「あ、でもこの”くらげの火の玉”は縮小コピーが貼ってあるぞ。さすがにこういう点描の細かい絵はセンセも改めて描くのメンドくさかったのかな」
マスター
「そういうの他にもあるよ。実は昔からなんだけど、先生ってこういう裏技使う事には全然抵抗ないんだよね」
TAC
「コピー貼りまくりの使いまわしまくり?」
マスター
「版画として出来上がるモノは同じだからね。そういう所は割り切ってんの」
TAC
「かえって潔いね。センセらしいっちゃセンセらしい」
・・・いい勉強になった。
もっとも製品の木版画は一作品につき色別で7枚もの版木が使われ、一枚一枚丁寧に刷られている。ちゃんと手間暇はかかっているのだ。
ショーケースの中にはこれらの版木も1セット展示されていた。
その後、入道さんの車で昨年も行った「風土記の丘」の県立歴史民俗資料館へ「稲生物怪録」の絵巻を観に行
く。実物はメチャクチャ長い巻物である。
入館口付近の物販コーナーにはそのミニチュア復刻版が売られていた。
マスター
「へえ、ウチで売ってる『水木しげる人生絵巻』にもミニチュア版あるけど、稲生物怪絵巻にもあるんだね」
TAC
「限定50本だって。・・・いやちょっと待てよ?現在何本残ってるかは書いてないんだな。ホントに50本しか無いんだろうか?」
入道さん
「全部売れたらすぐ増産するんだろうね、きっと(笑)」
TAC
「限定の意味ねーー・・・」
マスター
「いや、きっとアレだよ。この”限定50本”が1ロットでさ。あと50ロットくらいあんの」
・・・・・千年王国がどういう商売しているのか何となく判ったような気がする。
そうこうしているうちに、もともと曇り気味だった空がますます怪しくなってくる。
暗雲が立ち込め、ゴロゴロと遠くで響き始める雷鳴。
入道
「こりゃ一雨きそうだね〜」
マスター
「これから登山とかあるんだよなぁ?モリピタさんたち参加するって言ってたけど大丈夫なんだろか」
TAC
「まあ、”妖怪の山”に登るにはこれ以上無いってくらい雰囲気バッチリだし、いけるんじゃね?」
・・・完全にヒトゴトである。
三次駅まで戻ってきた時には本格的な土砂降りになっていた。山ン本五郎左衛門の呪いか、彼なりの歓迎か。
宿を別にとっているらしい他のメンツと一旦別れ、とりあえずマスターと入道さんのチェックインを済ますため長岡旅館へ戻る。
明日の会場となる文化会館で再び落ち合い、夜は「三次ベッケンビール」にて飲み会の予定である。
メンツはTAC、マスター、入道さん、黒目さん、高橋さん(千年王国社長)、矢野さん(やのまん社長)、ムカ
サさん(やのまん専属編集長?)、長屋さん(ナガヤ社長)の8人。
・・・なんかエライことになってる豪華メンバー。
このまま何か大きなプロジェクトでも立ち上げそうな面々である。
ビールはまあ、普通に旨かった。
ひとしきり飲んで食った後、ふと隣を見下ろしてみるとテーブルの上にボーリングの玉が置いてあった。それが突っ伏して寝ている入道さんの頭だと気付くのに数秒費やす。
うわマジックで顔描きてー・・・という衝動を抑えつつ、「マスター、入道さん撃沈してますよ。珍しい事もあるもんですな」
マスター
「ああ、最近仕事でテンパってたからねぇ。疲れて酒もまわったんだよ。そのまま安らかに逝かせてあげて」
・・・そんな彼に三次までドライバーさせてきた貴方達、グッジョブ。
この後、別口で「鵜飼見物」に行ってた水木プロの方々が合流するという話だったが、そうなってしまうと朝まで帰れないと身の危険を感じたマスターが、寝ている入道さんを理由に「僕ら3人はホテル帰りますわ」と離脱。
そうだね。明日に備えて今夜はおとなしく寝るとしよう。
・・・・しかし旅館の風呂で頭部に水分を補給した入道さん、スッカリ目が覚めてしまう。
結局3人で飲み直しに出掛けましたとさ。