西日本百鬼夜紀行 (その2)
到着! | |||||||
☆たっくさん [Profile EZwebの方] | |
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と、いうワケで着きました。
百鬼夜号、念願叶って「水木しげるロード」初訪問!!
いやぁ〜〜ホントに来ちゃったよ。
出発してから気まぐれに目的地の変更に次ぐ変更・・・まったくの行き当たりバッタリで走ってきましたが、まさかココまで来る事になるなんて全っっっ然、考えてませんでしたね。
しかし時刻は真夜中の午前四時!
真っ暗です。(当たり前です)
静かです。(当たり前です)
誰もいません。(当たり前やっちゅーの)
メインストリートをゆっくり徐行してみる。
あるある。町の至る所に立ってます。大小様々な妖怪達のブロンズ像が!
うわ〜〜〜っ、たまんねぇ〜〜〜〜!!
こいつらと会うために来たといっても過言ではない!
写真撮らなきゃ!
観光客が誰もいない今こそ、周りを気にせず撮影できる絶好のチャンスだ。
まずこの人は外せません。
鬼太郎くんとパチリ。
目玉の親父さんもいました!
パチリ。
ネズミ男。
パチリ。
本当は全部の妖怪像と写真撮りたかったんですよ、もちろん。
しかしデジカメのメモリー残量よりも先に、バッテリーの方が残り少なくなってしまったんですよね。
仕方がないので特にお気に入りの妖怪だけに的を絞る事にしました。
まずは牛鬼と泥田坊。
パチリ。
しかし御目当ての妖怪像を探しながら、ゆっくりと深夜の水木しげるロードを徘徊する百鬼夜号・・・。
アヤしすぎます。
おっと、ウロウロしていたら見つけました!
これがかの有名な妖怪グッズの手作り工房「むじゃら」と妖怪神社です!!(→)
この妖怪神社のステッカーは百鬼夜号のリアバンパーにありがたく貼らせて頂いております。
ここまで来たからには是非、御参りさせて頂かねば!!
それにしても、さすが妖怪神社。夜に見るとますます不気味です。(罰当たり)
この御本尊(?)の石なんか、一体どこから見つけてきたんでしょう?
どこか「がしゃどくろ」を思わせる模様ですねぇ。
ありったけの小銭を賽銭箱に放り込み、百鬼夜号の交通安全祈願なんかしてみます。
どうか御利益がありますよーに。なむなむ。
JR境港駅の方に廻ってみます。
さすが妖怪の町。駅にもアヤしい物がいっぱい!
町の案内板の上にも妖怪がいました。(→)
死神106番とがんぎ小僧と・・・え〜と、もう一つは何だっけ?
あっ、こんなところにあった!
がしゃどくろ、見〜〜〜っけ!
それでは、実際に百鬼夜号に描かれている妖怪と、同じ妖怪のブロンズ像を比べて見ましょう。
まずは朱の盤!
続いて塗り壁!
うひゃひゃひゃ、たのしーーーーっ!!
(↑・・・完全に壊れてます)(つーか、今年33歳なんですけど)
あと、町のあちこちをウロついて見ましたが、他にも興味深いものがいっぱいありましたよ。
壁に埋め込まれた妖怪オブジェとか。
(↓これは百目)
あっ、これを忘れちゃいけません!
「水木しげる記念館」!!
(・・・の、開設予定地)
平成15年3月に開館予定のようです。
完成が待たれます。
是非、行きたいですねェ。
さてデジカメのバッテリーも尽きましたし、あとは朝になって店が開くまではさしてやる事がございません。
夜明けまでは3時間ほどあるかな?仮眠をとっておこう。
御土産を買ったら早々に引き上げなければならない。
帰りは、四国経由で来た行きと違って直帰コースをとるとはいえ、軽く400Kmはあるだろう。先は長いのだ。
体力を回復しておかねば。
市営や月極の駐車場を勝手に借りるわけにはいかないので、さまよった挙句、港の波止場に車を停めて寝る事にしました。
しかしねぇ・・・眠れないんですよコレが。
念願の地にとうとう来たという気の昂ぶりのせいもあるのでしょうが、なんてったって目の前は冬の日本海!
びゅうおぅおぅぉぉーーーーーーーーーーっ!!(すっげー風)
ばたばたばたばたばたばたばた(何かがはためく音)
ぎぎぃ・・ぎぎいぃぃ〜〜〜〜・・・・(停泊してる漁船のマストが軋む音)
ゴッゴッ!ゴッ、ゴツ!(停泊してる漁船が波に揺れて岸に当たる音)
とっても地味にやかましい♪
特に漁船から発せられる様々な音が混ざり合うと、時にソレはガリガリと何かをかじる音や爪で引っ掻く音にも聞こえたりして(泣)「うわっ!絶対なにかいる!!」と、何度も車の外を確認してしまいました。
ようやく眠りかけた頃、今度はすぐ近くでボソボソと囁く複数の声。
「うわぁあぁ〜〜〜・・・いよいよホンモノやぁ〜〜〜〜〜・・・・さすが境港市や〜〜ホンモンの妖怪がおるぅぅ〜〜〜〜〜〜!!」
と、すっかりビビっていたら、
いつのまにか百鬼夜号の周りに数人の釣り人さん達が座り、極寒の最中に無言で釣り糸を垂れていて、別の意味で飛び上がってしまったり。
もうカンベンしてください。
ホンモノの妖怪よりも心臓に悪いです(T◇T)。
寝るのは諦めて、夜明けを待たずに駅前へ移動。
それにしても、普通ここまで気温が低いと最近調子がよくない百鬼夜号のバッテリーでは大抵エンジンかかりません。その為に予備のバッテリーを積んでるくらいですから。
でも、この時は一発でかかったんですよ。ちょっと感動。
やっぱりココは妖怪の町ですから、百鬼夜号も何かパワーを与えられているのかもしれませんね。(←気のせいです)
駅前のトイレにて用を足し、顔を洗って外に出ると、ようやく空が白みかかってきました。
境港の朝です。
AM7:00くらいになると、さっきまで凍てついていた町の時間が緩やかに解氷していきます。
駅前ロータリーに停まっていたタクシーが走り出し、始発のバスが僅かな乗客を乗せてやってきます。新聞配達の自転車が通り過ぎ、犬の散歩をしているオジさんが歩いてます。
人々が動き始めました。(そして百鬼夜号を見るなリ再び凍結)
そろそろと「むじゃら」の前にやって来る。
開店は8:00くらいかな?・・・とにかく開いたら迅速に土産を買いまくり、さっさと帰途につくつもりでした。距離や渋滞の事とか考えると、あまりゆっくり出来ないと思ったのです。
心残りなのは、ココまで来ていながら「水木プロ公認」の件で御世話になった恩人である水木ロード◎コムのマスター様に会えないまま帰らねばならない事でした。携帯しか持ってない今の状況で連絡する術はありません。もし彼がたまたま昨晩のウチの掲示板をチェックしていてくれたなら、今百鬼夜号がココに来ている事に気付くはずなのですが、そんな都合のイイ偶然などあるはずも無く。
・・・しかし、8:30を過ぎてもなかなか「むじゃら」は開店しません。
あれ?今日はもしかして定休日?もう時間が・・・なんてヤキモキしてるうちにも、脇を何人かの地元の方々及び観光客が通り過ぎます。突き刺さるを通り越して絡みつき、抉り込む視線。
まあ、ココは妖怪の町。停車しているぶんにはあまり周囲との違和感は無いですけどね。せいぜい水木しげるロードの新しいオブジェかなんかだと思われたんじゃないでしょうか。(ただの観光客なんですけど)
そうこうしてるうちに、「むじゃら」とは妖怪神社を挟んで隣に位置するもう一つのお土産屋さん「妖怪ショップ・ゲゲゲ」が開店。
さっそく御邪魔させて頂く。
店内は、昔ながらの駄菓子屋を思わせる古風で落ちついた感じの店でした。初めて来たのに懐かしい気持ち。
かと思えば正面の壁にドンと居座った異形の木偶人形。そして棚にズラリと並んだ妖しくも美しい手作りの妖怪たち。その迫力ある光景に目眩にも似た感動をおぼえます。
脇の大きな木のテーブルの上では、ナイスミドルのロマンスグレーなこの店の店主”野々村翁”様が目玉オヤジの人形を今まさに作っている真っ最中でした。
「どうぞ、座ってください」
穏やかに席を勧められ、少しお話をさせて頂くことにしました。奥様がコーヒーを淹れてくださり、とても暖かな雰囲気で楽しい時間を過ごさせて頂きました。
「表に停まってる車は君のかね?」
「ハイ」
「凄いね。大したものだ」
「ありがとうございます!」
いろんな話を聞かせて頂きました。「水木しげるロード」を盛り上げる為に町中の皆が力を合わせて頑張っている事。あくまでも手作りによる温かみのある妖怪グッズへのこだわり。それにまつわる苦労や葛藤。それでもやはりこの町が好きで、自分達の手で守っていかねばならないという強い自負。
すっかりこの「ゲゲゲ」が好きになりました。
それにしてもココの手作りグッズは凄い。なんたって手の込みようが違う。すっげー細かい作業なんですよ。
一つ一つ細部にまで丁寧に作り込まれた目玉オヤジの粘土人形。世界に二つと同じ物は存在しません。故に超レア。超絶品。
季節に合わせて様々なバリエーションがあり、お椀の湯に浸かっているヤツとか横綱の格好で柏手を打っている姿のヤツとか、もう全部くれ!ってな感じ。しかも粘土に夜光成分を練り込んだりなどの創意工夫も忘れてはいません。常にアイデア勝負。
昔からこの道のプロなのかと思いきや実は本業は電気屋さんなトコロがよくわかりません。
「こんなんで儲けあるんですか?」
「はは。よく言われるよ。でもね、儲け云々よりやっぱり買ってくれた人の喜ぶ顔が一番嬉しいからね」
「大量生産の話とか来るんじゃないんですか」
「うん。でも出来るだけ断ってるんだ。水木しげるロードまで足を運ばないと手に入れられないからこその価値ってのが出てくると思うし、是非買いに来て欲しいね。そしてこんなふうに、いろんな人と話が出来たらイイと思うんだ」
テーブルには、過去に訪れたお客さんが残していった寄せ書きのメモがいっぱいありました。そこに綴られた文面からも、この店の御主人と奥様の人柄の良さを窺い知る事が出来ます。
TACも一枚書かせて頂こう。せめて「水木ロード◎コム」のマスター様に宛てて、岐阜からはるばるやって来た証拠を残していこう。
やがてバイトの方なのか、白い服と長い黒髪の可愛らしい女性が出勤して来ました。気がつけばもう9時をまわってる。そろそろ買うモン買って、おいとましようと思う。
レジで清算している時に御主人がその女性に声をかけます。
「○○ちゃん、表の車見た?」
「え?・・・ああ、最初見た時、どこのキ●ガイが乗って来たのかと」
(T_T)
・・・・・ヤバかった。
危うく惚れるトコでした。
普段のその奇行から実に様々なコールド・リアクションを返されてきたTACですが、三十余年生きてきて
出会いガシラに心臓抉られたのは初めてです。
その後は店の外に出て、しばし百鬼夜号を取り囲んでの雑談及び撮影会。(詳しくはこちらへ)
野々村様からは、なんと記念に「塗り壁ストラップ」とカレンダーを頂きました。ホント感謝感激。
あっという間に時間は過ぎ、そろそろ10時も近くなってきたので、後ろ髪を引かれる思いでしたが皆様にお礼と別れを告げて百鬼夜号は町を後にしたのです。
「妖怪ショップ・ゲゲゲ」の野々村様をはじめとする水木しげるロードの皆様、
素敵な思い出を本当にありがとうございました!
また来ます!
必ず来ます!(もしその時まで百鬼夜号が無事であったなら)
さらば水木しげるロード!
ありがとう、優しき妖怪の町!!
大津 | |||
☆たっくさん [Profile EZwebの方] | |
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本当に、今回の一人旅は行って良かったと思う。
いろんなものを見、いろんな事を知った。美味しいものをたくさん食べ、素晴らしい人達と出会えた。
そしてなによりも・・・百鬼夜号とずっと一緒に走り続けたこの二日間は、かけがえのない思い出となった。
御苦労様。そしてありがとう。
こんなにもオマエを頼もしく、また愛しく感じた事はないよ。
やっと一体になれた・・・そんな気がするよ。
午後四時過ぎ。
心地よい疲れと共にTACと百鬼夜号、無事に美濃へ到着。
総走行距離・・・実に1100Km。几帳面なヤツならオイル交換しちゃう距離です。
高速料金・・・考えるのはヤメにします。
もっとイイもの、手に入れたような気がするから。
黄昏ゆく空に瞬きだした星たちが、クリスマスの訪れを静かに告げていた。
そんな事とは微塵もカンケー無く、百鬼夜号は暮れの美濃の町へと消えていくのだった。
百鬼夜号と行く
「イイ荼毘 夢気分」
おしまい。