(その19) おりぢなるエンブレム
皆さん、ト●タの「クレス太」という車、知ってますよね?
先日ウチの工場に後ろをぶつけたコイツが入庫しまして。リアバンパーとトランクの板金修理をしたんですよ。
車のトランクって、大抵はエンブレムが貼ってあるじゃないですか。車名とかグレードなんかの。
塗装作業において大変ジャマな存在であるこれらは、しかしマスキングするには少々カタチがややこし過ぎる為に基本的には剥がして新品交換となるわけです。
今回のクレス太のエンブレムもそうでした。
ちなみにクレス太のリアエンブレムはちょっと他の車のソレとは変わってまして。
アルファベットの一文字一文字が独立してるわけですよ。
「C」と「R」と「E」と「S」と「T」と「A」・・・というふうに。
仕事が終わって片付けてる時に、剥がした古い方のエンブレムを見つけたTACは、拾ってそのままゴミ箱へポイッ
・・・っとしたところで慌てて拾い上げました。
この間、約0.3秒。我ながらよく気付いたものですわ。いや危なかった。勿体無い事をするところだった。
だって、そうでしょう?
「C」と「R」と「E」と「S」と「T」と「A」ですよ?
ほら・・・
「T」も「A」も「C」もあるじゃないですか!!
コレを利用しないテはない!
作業自体は非常に簡単で早いものでした。
フロントバンパーの「MIRA」というエンブレムを外し、ベルトサンダーで表面をガリガリ削り落として真っ黒に塗装。(ガンと塗料を準備するのがメンドくさかったのでチッピングコートという車体下面用のスプレーで済ませました)
乾燥させてから、さっきの「T」と「A」と「C」のエンブレムを両面テープで接着。
オリジナルエンブレムの出来上がり♪
利用できるものはトコトン再利用。地球に優しいエコロジーなエロジジィTACです。
でも世間ではこーゆーのをただ単にセコイと言います。
やかましいです。
2003年3月7日
聖地巡礼再び
☆ 出発前にあった様々なコト ☆
全ては2月16日・・・水木ロード◎コムのマスター様による掲示板へのカキコから始まったのでありました。
「現在建設中の水木しげる記念館が来たる3月8日(土)にめでたく開館ですぜ。で、どーゆーワケか急遽、前夜祭が決まりましたぜ。ななななななんと水木センセ御本人を案内人として、一足先に記念館の中を見学できる特別内覧会ですぜ。開館日がセンセの81歳の誕生日だっつー事にちなんで81名限定ですぜ。応募しやがれゴルァ。ちなみにもし百鬼夜号が開館日に現地まで応援に来てくれたなら、ひょっとしたらエエ事あるかもな♪(意味深)」
・・・という内容が、もう少し良識ある文章で(当たり前じゃ)書かれてありました。
ちょっと待て。
8日の前夜という事は7日?金曜日?平日やん。仕事休まなくちゃアカンやん。
無理無理。遠いし。今忙しいし。遠いし。俺、クジ運悪いし。遠いし。当たるわけないし。遠いし。(←しつこい)
そんなワケで、マスター様の御好意には大変感謝感激でしたが、あまりマジメに考えてはいませんでした。この時点では。
翌日、メールが届きます。マスター様からでした。件名は「悪魔のお誘い」。
「おんどれナニすかしとんのじゃ。センセに会える滅多にないチャンスやぞワレ。内覧会は無理としても百鬼夜号を観てもらえるかもしれんやんけ。未確認情報じゃが京極センセも来るっちゅー噂や。サイン欲しくないんかコラ」
・・・という内容が、はるかに良識ある文章で
(当たり前じゃあ)綴られておりました。そこまで言われるとTACも少し心が揺れ動きます。
そうか・・・確かにエエ話だよなあ。センセももうお歳だし、コレを逃したらもうこの先あまりチャンスな(編集)
おしゃ。ちょっくらマジメに考えてみっか。7、8日だけ仕事休み貰えば、6日(木)の夜出発でなんとかイケるんじゃないか。
遠いからシンドイけど一度行った事ある場所だし、なにより仕事サボれ(編集)
翌日、親父に直談判。
「水木センセの誕生会に招待された。スマンけど行ってくる」
一世一代の大ボラ吹きである。
しかしこの言葉は説得力絶大であった。あっさりOKを貰う。
これで是が非でもセンセと会って写真の一枚も撮って帰らねばならない事情が出来てしまった(滝汗)。
「その代り、アレに乗っていくのはやめろ。いつブッ壊れるかわからん。積載車をレンタで借りて載せていけ。保険も付いてるし、イザという時に安心や」と、親父。
・・・最低3日は借りる事になる。一日幾らくらいだろう?
「わはは。大丈夫。交通費は出してもらえるから」
また一世一代の大ボラ吹きである。
そんな約束はされていない。しかし、ココは話をスムーズに流す必要があったのだ。
どんどんオオカミ少年化していくTAC。
「宿は?」
「わはははは。大丈夫!なんせ招待客だからな。超豪華ホテルのスウィートルームを確保してくれるそうだ」
またまた一世一代の大ボラ吹きである。
宿は現時点で決まってないし、前回かの地へ行った時に見た限りでは境港に超豪華ホテルは存在しない。
笑いはどんどん引きつってくるが、もはや後戻りは出来ない。
パパごめんなさい。でもね、聞いて。行きたいの。私、お友達の為にどうしてもあそこへ行きたいの!
心の中で、巨大な罪悪感と戦うサリーちゃんの姿があった。
とにかく強引に(と言うよりむしろ反則的に)予定を捻じ込むことに成功。
嬉々として携帯のカレンダーに「水木ロード♪」と入力しようとする。
・・・ん?
8日に既に印が付いているぞ。・・・なんか予定あったっけ?
スケジュール表を開く。
3月8日「消防の旅行」
がーーーーーーーん。
なななななななななんでよりによってこの日なんだあああぁぁぁぁああっっ!!!
俺が何をしたぁああ〜〜〜〜〜!!(←”ド忘れ”です)
TACの心の中で、今まさに義理(消防旅行)と人情(水木ロード)の壮絶な戦いが繰り広げられようとしていた。
レディ〜〜〜〜〜〜・・・ファイッッ!!
義理× = ○人情
あっさりと勝負がつきました(早)。
消防団の旅行幹事さんに電話します。
「いやぁ、水木センセに招待されちゃったもんで。すんません。行ってきますわ」
もはや慣れっこになってしまった大ボラ吹きである。
でもやはりこの言葉は説得力絶大。またもや快いOKを貰う。
これで是が非でも「証拠品」として水木センセのサインを押収いや、ゲットしなければならない事情が出来てしまった。(滝血涙)
ええ、行くよ。行きますとも。
行かざるを得ない。
その後は、現地での行動予定や水木しげる大妖怪様の出没地点確認(どうやら追っかけをするつもりらしい)、宿泊及び駐車場の確保など・・・マスター様にはかなり骨を折って頂きました。大感謝。
その間、二人の間で交わされたメールの数は実に15通に及ぶ。まるで生娘同士の交換日記です。大の大人が。
骨折りついでに、マスター様にはもう2、3本背骨を叩き折って頂こうと思う。
TAC 「水木センセと京極センセのサイン、ぷりーず」
マスター 「ムチャです」
TAC 「どーしてもぷり〜ず」
マスター 「誰もがそれを狙っておるのです。かなり競争率高いです」
TAC 「泣くぞゴルァ」
マスター 「ついでに悪い報せがあります。京極センセは来ない事が決定」
TAC 「泣くぞゴルァ」
マスター 「しかし、内覧会&誕生会にはひょっとしたら参加できるかもしれない事情が出てきました。秘策があります」
TAC 「それって、ニセの記者証を付けて会場に報道員として紛れ込むとかいう裏技じゃないでしょうね」
マスター 「・・・そーゆー事は大きな声で言わない」
と、いった内容の相談がもう少し紳士的な会話で交わされ(既にお気付きだとは思いますが、かなり内容は脚色されまくってます)、準備はタラタラと、しかし着実に進みつつありました。
ちなみに上記の「ニセの記者証云々〜」は、当日実際にやった方がおられるようですが、TACは複雑な大人の事情を知らない無垢なお子様なので深く関知しません。
さあ、あとは出発を待つばかり。
首を洗って待っていろ、水木しげるロード!!(何か微妙に間違ってます)
☆ 出発日にあった様々なコト ☆
さて・・・人生長くやってりゃ誰もが「ナニをやっても徹底的にウマくいかない日」というものが何度か訪れるもので。
3月6日(木)。水木しげるロードに向けて二度目の出発を直前に控えたこの日。
TACにとって、この日は実にツイてないどころかひょっとして誰かに呪われちゃってます?と勘ぐりたくなるほど、稀に見る大仏滅日でありました。
だってね、ホントあの不運っぷりは異常だったんですよ。
まずここんとこ連日連夜の午前様帰宅がしっかり祟って体調は最悪っつーか極悪。
仕事ではトラブルの連続。どう考えてもトバッチリなクレームを客から言われて弁償させられたり、作業中ケガしまくったり、部品を破損させたり。・・・ただでさえ明日・明後日と休ませてもらうのだから自分の仕事だけはキッチリと済ませて気持ち良く出掛けたいのに、これじゃ立つ鳥後を濁しっぱなし。
車で道を走ってると、急に軽トラが横から飛び出してきて肝を冷やすわ、そのすぐ後に黒猫に横切られるわ。君子危うきに近付きっぱなし。
しかもこの日は大雨。オデカケなんだから百鬼夜号だって洗車&ワックスしたってーのに悲しいほど全て台無し。積載車に百鬼夜号を載せるだけでTACベちょ濡れ。
まるで対ジャック・ハンマー戦に臨む前の渋川剛気(判る人だけ判ってください)状態。
十歩移動するだけの間にも十の障害が現われる感じです。TACを水木しげるロードに行かせまいとする何か巨大な力が働いて、全ての行動に妨害をしかけてるとしか思えない。
「虫の報せ」も、ここまでフルコースに続くとさすがに不安になってきます。
本当にこのまま行って良いのか水木しげるロード?
行ったらとんでもない不幸に見舞われるのではないか?
ああ、やっぱり行かなきゃ良かったと大後悔する時が来るのではないか?
行きますけどね。(だいぶヤケになってきた)
境港までは約470Km。5〜6時間もあれば到着できる距離ですが、TACさんは金も時間も十分な余裕がないと行動を起したくない慎重派(小心者とも言う)ですので、7日の正午を到着予定として9時間ほど逆算し、丑三つ時頃に出発することにしました。
百鬼夜号を載せた積載車はいつでも出発できる状態で工場の駐車場に停め、一旦帰宅。
徹夜ドライブに備えて早々に床につきます。
つきますったらつきます。
(くるくるミニ百鬼夜号提供・SYO様)