☆ 出発してからあった様々なコト ☆
東京新宿が「眠らない街」なら、午後8時くらいから「完全爆睡する町」美濃。(大丈夫なのか、観光地として)
そんな全てが寝静まった3月7日の午前3時。
近所メーワクなディーゼルノートを高らかに響かせて、今一台の積載車が闇の中を蠢き始めた。
その背に百の鬼を乗せて。
地平遥かなる聖地に向けて。
「妖怪百鬼夜号・陸送班(*)」出発!!
(*)・・・たった今気付いたんですが、先方はあくまで百鬼夜号を待っているのであってTAC本人なんか別にどーでもいいワケですから、よーするに俺って只の運搬係じゃん)
美濃ICから東海北陸道に入り、一路鳥取を目指します。
ドライブそのものは快適で順調でした。
積載車による100Kmを越える遠出は初めてで当初不安もありましたが、考えてみれば鳥取の米子まではず〜〜〜っと高速道路を走りっぱなし。気楽なモンです。
一時の「イヤな予感」はどこへやら、エンジンスタートと同時に早くもドライバーズ・ハイ発動。もう何処へだって逝ってやるぜイエェ〜〜〜〜〜いきゃっほーーーーーっ!(今年33歳)
うるさいディーゼル音に負けじと、イヤホンで聴く陰陽座の「朧車(勝手に百鬼夜号のテーマソングとして認定)」を裏声で絶叫しながら、積載車は雨の高速をガンガン飛ばします。♪あーーーーーめぇ〜〜〜よぉ〜〜〜〜〜〜〜♪くぅーーーーもぉ〜〜〜よぉ〜〜〜〜〜〜♪いつの日かーーこーこーでぇー朽ーちー果ーてー消ーゆーるーとーもぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪(今年33歳)
・・・この調子で走ってたらホントに朽ち果て消ゆりそうなので、少しの間おとなしく走ろうと思います。
家で寝られたのはせいぜい3時間くらい。
眠くないかって?ええ、大丈夫です。実は名神高速に入ってからというもの目の前をとても気になる一台の運送トラックが走ってまして。
そりゃもう、スリル満点。目が離せません。
ちょっと名指しでイイですか?
(株)ラ●テックのドライバー・植●ヒロノリさん!!(●の部分は最後の良心)
アンタの運転、危な過ぎっっ!!
右へフラフラ〜〜〜左へフラフラ〜〜〜って、アンタ絶対寝てたでしょ。右脳の一部がレム睡眠してたでしょ?!
車の中で寝るのは構わない。しかしその車が走ってちゃいけない。
頼むからSAとかに入ってよ!休憩してよ!目の前で事故られたらこっちも困るのよ。こっちは要人護送中なのよ!(すっかり運搬係に成り下がってますTAC)
運転しながら今現在ヒロノリさんの頭の中で繰り広げられているであろう戦いを想像してみちゃったりします。
(♪ちゃららりらりら〜〜〜〜♪)
すいまA・Bが あらわれた!!
すいまAの こうげき!
ヒロノリさんは 12ポイントのダメージを うけた!
すいまBの こうげき!
ヒロノリさんは おおきく みぎに ハンドルをふられた!
たっくは キモを ひやした!
ヒロノリさんは ぶらっくぶらっくガムを つかった!
すいまAには きかなかった!
たっくは 「ひつうなさけび」を となえた!
「おっさん、はよ車停めろや!!」
ヒロノリさんは むしして うんてんを つづけている!
すいまAは 「ここちよい びしんどう」を となえた!
ヒロノリさんは いっしゅん マジに ねてしまった!
ハンドルは ひだりに ふれた!
たっくは 45ポイントの せーしんてきダメージを うけた!
すいまBの こうげき!
ヒロノリさんは まだ ねている!
つーか ほんきで ねている!!
たっくは ふしぎなおどりを おどった!
とーぜん だれも みてくれなかった!
ヒロノリさんが めをさました!
つーか ほんきで ねてたのかよ!
すいまAは なかまを よんだ!!
ちょうどその時、頭上を次のICを示す看板が通り過ぎます。
「竜王」
いきなりボスキャラかよ!
つーか、タイミング良過ぎるよっ!
ダメだよ、ヒロノリさん瞬殺されるよ!!
>たたかう >にげる >ぼうぎょ >まほう
|
たっくは にげだした!
嫌な予感が現実になる前に、減速して車間距離を十分置こうと思います。
そうこうしてるうちにヒロノリさん、前の車を追い越して行ってしまい見えなくなりました。
おいおいアンタ大丈夫なのかホントに。
事故るなよ〜〜〜〜。
一時の平穏が訪れ、TACは現地に着いてからの予定について考えます。
順調良く行けば、正午までには米子に到着する。着いたらまず目玉マスター様と連絡を取り、なんとか合流を果たさなければならない。
今回現地での行動は全て彼任せである。水木センセに会えるかどうかも、内覧会に潜入できるかどうかも、ちゃんと屋根のあるトコで寝られるかどうかも、全て本日初対面である彼の手にかかっている。
つまり境港に滞在中、TACはずっと目玉マスター様といっしょ♪
あの小さい町で、いつも必ず一緒に歩いてるエエ歳こいたヤローが2名・・・ヘンな噂を立てられちゃかなわない。ヘンな感情を抱かれてもかなわない。注意をせねば。
事前に得ている情報によると、水木センセは昨日すでに境港入りしており、今日は基本的にオフのはずである。午後6時に始まる内覧会までの時間はフリー・・・つまり水木ロードのどこかにフラリと出没する可能性あり。
「むじゃら」「ゲゲゲ」のあたりで張っていればホシは必ず姿を現わすだろう(こらこら)。捕捉するならこの時しかない。なんとかサインをゲットし、一緒に写真を撮る!この使命を果たさぬ限り・・・ワタシおうちに帰れません。
おっと、その前に宿泊先にチェックインしなきゃな。
宿は既にマスター様が押さえてくれている。先日送られてきたメールによると、彼が知る境港の宿泊施設のうちで最も部屋が良く、またリーズナブルな料金の、超豪華スペシャル穴場的ロイヤル・スウィート・ホテルを準備してくれたそうだ。
・・・ただ、ちょっぴり”名前”が気になっていた。
「財団法人 境港港湾労働者福祉センター」
・・・・・・・・・・・。
タテに読んでもヨコに読んでも「ホテル」という字が見つからない。
「旅館」という感じでもない。
つーかホントにコレ、宿泊施設なんですか?
「ろーどーしゃ」とか「ふくし」とか「センター」て。
どう努力しても、イカ漁で遠くから出稼ぎにやって来た老練な海の男達がストーブ囲んで酒をアオったり、雑魚寝したりしてる”詰所”のイメージしか沸いてこないんですけど。
そんな事をボンヤリ考えていると、前方に見覚えのあるトラックが見えてきました。
荷台に書かれた「ラ●テック」の文字。
つうこんのいちげき!!
ヒロノリさん、またアンタか!
しかもその隣を並行して走ってるのは・・・
「液体窒素」と書かれたタンクローリー。
・・・・・・核ミサイル発射ボタンのすぐ脇で遊んでいるチンパンジーの子供を見守る気分です。
折りしもちょうどその時イヤホンから流れてきたのは、陰陽座の「火車の轍(勝手に百鬼夜号のテーマソングBトラックとして認定)」。
♪嗚呼〜〜〜葬斂の跡は〜〜〜〜火の轍!
嗚呼〜〜〜弔いを焦がす〜〜〜〜♪
全っっ然、シャレになってねぇ!
やだっ!!
「ターミネーター2」のT−1000みたいな目にあうのはやだっっっ!!!
いかん。
この調子で書いてたら永遠に境港へ到着出来ない。
ここからは、ちょっと巻いていきますね。
>> 早送り
えーっとですね。その後もず〜っとブッ通しで走り続け、最初に休憩したのは中国道の社PAでした。その頃はもう夜もすっかり明けて周りの車も増えてきます。トイレの後、天ぷらソバ食って、2時間ほど仮眠。雨は相変わらず降り続けてます。つーか、どしゃ降りです。ふと目を覚ましたら隣にレースカーを積んだ似たような積載車が停まってまして。どっかのサーキットへ行く途中なのでしょう。・・・ただ2台並んだ積載車に、あまりにも毛色の違う(というより次元が違い過ぎる)車が載せられている光景は、周りの注目をイヤでも集めてました。
落合JCTから米子自動車道に入り、ラストスパートです。ここまで来ればもう目的地まであとわずか。安心して周りの景色を眺める余裕も出てきます。以前ここを通ったのは深夜でしたから、あの時には気付かなかった鳥取の豊かな自然を満喫(岐阜のド田舎モンが何言ってやがるとか言うの禁止)。霧にけむる針葉樹の山々や道端に残る雪もなかなか風流ですいやぁイイモンですな〜〜はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはって、雪ィ?!?!ゆ・・・雪だ。マジ?雪が残ってる。もう3月なのに。うっそぉ。岐阜はもうすっかり春なので、今回雪に関しては全く想定してませんでした。積載車は一応スタッドレス・・・でも百鬼夜号はノーマルタイヤなんですけど。積もったらどーすんのよ。
蒜山高原SA(米子道)で給油。この頃にはいつしか雨も粉雪に変わってました。
ここでマスター様にもうすぐ到着する旨を連絡するべく電話。考えてみれば携帯番号は随分以前に聞いていたのに実際かけるのはコレが初めて。いやんドキドキしるー。どんな人なんだろ。掲示板のカキコから判断するに結構マジメで礼儀正しいイメージがあるし、俺、思いっきり引かれちゃったらどーしよー。怖い人だったらどーしよー。ひゃーキンチョーしるぅー。プルルルルルル(がちゃ)「あ、こんちわTACです。お初にお耳にかかります」
「いやぁ〜〜〜どーもどーも♪ ○○(マスター様の本名)ですぅー」
軽。
ウマが合いそうです。おかげですっかり緊張が解けました。
米子ICの出口で落ち合う事にし、蒜山を出発します。
■ 停止
> 再生
終点・米子ICの料金所から出てすぐの道路脇で、手を振っている人を見つけます。雨のせいで顔がよく見えないが、どうやら彼が目玉マスター様らしい。ああ、やっと会えた!
路肩に積載車を停め、降りる。
「はじめまして!」堅く握手を交わす二人。顔を上げ、初めてマスター様の顔を間近で見たTACは、その場で凍り付きました。
デンジローさん、どうしてココに?!
拝啓 目玉マスター様 先日は大変御世話になりました。 告白したい事がございます。 ですから水木しげるロード滞在中、マスター様と顔を合わせるたび彼を思い出してしまい・・・正直とてもやりにくかったです。
敬具 TAC
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「うひゃー」「うわー」「こりゃすごいわ」と、積載車の上の百鬼夜号にすっかり興奮しているマスター様。
これだけ喜んでくれただけでも来た甲斐があったというものである。
とりあえず境港まで行って百鬼夜号を積載車から降ろし、まずは昼飯を食べに行こうという事になり、マスター様の車に先導されて水木しげるロードへ向かいます。
ああ・・・まさかこんなに早く、再びこの地へ来る事になるとは予想してなかったが。とうとう来たよ、水木しげるロード。
百鬼夜号、今再び聖地へ。
妖怪倉庫前にて。
百鬼夜号も無事に降ろしました。
積載車は、以前訪れた時に車中で夜を明かした思い出の波止場(怪音や釣り人さん達にさんざんビビらされた場所)に駐車させてもらう事に。
ちょうど雨もやんだので今のうちに・・・とマスター様、百鬼夜号の周囲を少しづつ移動しながら写真を撮りまくり。
この「百鬼夜号360°連続写真撮影」こそが、今回の彼の目的の一つだったそうです。
コレを作る為に。(↓)
ぐりぐり百鬼夜号Ver.2
本当にありがとうございました♪
「あ、TACさん。例の宿泊先・・・すぐ近くなんですけど、先にチェックインしときます?」
そう言ってマスター様が指し示した場所に・・・”それ”はあった。
「(財)境港港湾労働者福祉センター」
イメージ、そのまんま。